工程表作業 進捗状況に大きな差
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工程表作業 進捗状況に大きな差

5月11日 6時41分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の事故から11日で2か月になりますが、事故の収束に向けて示された「工程表」の作業は、原子炉建屋内での作業が始まった1号機と、それ以外の号機との間で進捗に大きな差が出始めており、工程表を実行に移していくことの難しさが浮き彫りとなっています。

東京電力は、先月17日に事故の収束に向けた「工程表」を発表し、7月までの3か月程度の「ステップ1」では、51の対策を示して、原子炉を安定的に冷やすことなどを目標に掲げています。事故から2か月、工程表を発表してからおよそ1か月、51の対策のうち多くは何らかの作業が始まっていますが、最も重要な「原子炉の冷却」で見てみますと、1号機から3号機まで、進捗に大きな差が出始めています。具体的には、「原子炉の冷却」については、工程表で、▽原子炉への注水や、▽水素爆発を防ぐための格納容器への窒素の充填、▽格納容器を水で満たす「冠水措置」の実施、それに▽熱交換器の設置の検討といった項目が示されています。このうち原子炉への注水は1号機から3号機まで継続して行われていますが、そのほかの項目については、1号機以外まったく着手できていません。1号機では、格納容器の「冠水措置」に向けて原子炉建屋の中に作業員が入り、10日から水位を把握するのに欠かせない計器の補正が始まったほか、「熱交換器の設置」も具体的な計画が示され、設置に向けた準備が進められています。しかし1号機でも、原子炉建屋の内部では高い放射線量が確認され、作業計画の見直しを迫られる可能性もあります。細野総理大臣補佐官は、統合本部の2日の記者会見で「各号機ごとに状況が違うことがはっきりと分かってきた。1か月を区切りに工程表の進み具合を検証し、新たな道筋を示したい」と述べています。事故から2か月、事態の収束が見えないなか、工程表を実行に移していくことの難しさが浮き彫りとなっています。