多くの地震学者が予想していなかった東日本大震災だが、その5~6日前に「明瞭な前兆」を電気通信大学の研究グループが確認していた。同グループが注目するのは地震の前に現れる大気上空の電離層の乱れ。地震学者にはない視点で独自の観測網を整え、東海地震など巨大地震の予知に成功したいと話している。
■太平洋上で観測
地震が起きた3月11日午後2時46分過ぎ。電通大の研究グループを率いる早川正士名誉教授は、東京都調布市の同大学の研究室で、棚が倒れないよう必死に押さえながら自問していた。「なぜ東京がこんなに揺れるのか……」
研究グループの観測網では東京に大きな地震が起こるとは予測していなかったためだ。やがて震源が関東付近ではなく東北沖のマグニチュード(M)9クラスの超巨大地震だったと知り、納得した。「あれが前兆だったに違いない」
早川氏によると、大きな地震の約1週間前に震源上空にある電離層が何らかの原因で乱れ、大気圏との境界面(高度約80キロ)が一時的に低くなる。この現象は地表と電離層の間を反射しながら進む超長波電波の到達時間を正確に測ることでとらえることができる。
研究グループはこの方法が内陸の直下型地震の予知に有効とみて、宮崎と福島の送信局からの電波を観測してきた。加えて今年、米ワシントン州からの電波を日本で受け、太平洋上の電離層のチェックを始めていた。
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