ピカ一、父譲りの俊足 熊本工・藤村大介
2007年03月22日
1番、遊撃手で主将。ベースを1周すれば、チームで唯一の13秒台を出す。「120%成功しなければ走らない」というのに、昨秋の九州大会準決勝では3盗塁を決め、相手監督を脱帽させた。
![写真](/contents/058/895/291.mime4) 藤村大介選手
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その俊足は父寿成さん(44)譲りだ。九州学院の主将、1番として80年の選抜大会に出場。中学時代は陸上100メートルで県1位の経歴を持つ人だ。
「藤村の足を封じないと勝てない」。当時も熊本工を率いていた林監督は、強肩の中堅手・伊東(現西武監督)を捕手に転向させた。県内で伊東だけが寿成さんを止められた。その年の夏は、熊本工が甲子園に出た。
息子は1年のころ、守備面で苦しんだ。打球を怖がり、失策を繰り返した。転機は昨夏。夏前に左手薬指を骨折し、全治3カ月と診断された。「試合に出たい」と思った。ギプスをつけ、無我夢中でプレーし、甲子園にも出場した。不安はどこかへ消えていた。
3回目の甲子園。「今は緊張感を楽しめるまでになった」と頼もしい。先取点を挙げることを至上命題に、自らの足と経験でチームを引っ張る。
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ふじむら・だいすけ 熊本市生まれ。4歳で水泳を始め、城西小4年で野球に転向。昨秋の公式戦は打率3割5分6厘。九州大会は4試合でチーム計31得点のうち8得点をあげた。好きな選手は川崎(ソ)。173センチ、65キロ、右投げ左打ち。
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