佐世保市の指定暴力団九州誠道会永石組(本部・佐賀市)事務所の周辺住民が、事務所ビルの使用禁止を求めた訴訟の弁論準備が10日、地裁佐世保支部(菊地浩明裁判長)であった。前回の弁論準備で住民側が土地建物を1800万円で買い取る裁判所和解案を組側が拒否したことを受け、この日、今後双方の代理人弁護士が裁判所を通さず直接交渉し、買い取りによる和解の可能性を探ることが決まった。訴訟は継続し、月に1回程度弁論準備を開いて交渉の進展について裁判所に報告するが、交渉の長期化も懸念される。
住民側の代理人弁護士は同日、佐世保市役所で記者会見。各地で誠道会と指定暴力団道仁会(福岡県久留米市)の抗争が再燃し、企業や市民を狙った発砲事件も相次ぎ原告の間に不安が広がっているとした上で、「判決を求めて勝訴しても事務所は残り、将来的な懸念は消えない」とあくまで和解による事務所買い取りを目指す考えを示した。
=2011/05/11付 西日本新聞朝刊=