総務省は10日、ソフトバンクモバイルが販売するスマートフォン(多機能携帯電話)の「アイフォーン」で、利用者が知らないうちにデータ通信が行われ、通信量に応じて料金が変わる「2段階パケット定額プラン」の場合、当初の説明以上の料金が発生するケースがあるとして、原因の究明と適切な広告表示をするよう行政指導した。
同プランではデータ通信を一定量までしか使わない場合の下限料金は月1029円。しかし、同省とソフトバンクが、購入したままの状態で端末を操作せず放置して検証したところ、1カ月で4台のうち3台が上限料金の4410円、1台が3000円台後半に達した。
アイフォーンを製造する米アップルは詳細な仕様を公開していないため、ソフトバンクは「どのような通信が自動的に行われているのか分からない」と説明。また同社は、個別の携帯端末の台数を公表していない。
ソフトバンクによると、自動的にデータ通信が発生するのはアイフォーンのうちOS(基本ソフト)が「iOS4・0」以上を利用している機種で、4月から告知を始めているという。同日には「過去一部のアイフォーンユーザーに対して告知していなかったことをおわびする」として、2段階定額プラン利用者が申告した場合、料金のうち1029円を1カ月分無料にする措置も発表した。
総務省は他のスマートフォンについては確認しておらず、業界団体を通じて各通信事業者に適正な広告表示を行うよう要請した。ソフトバンクの場合、アンドロイドOSを搭載するスマートフォンについては、昨年11月以降に発売したものから自動的にデータ通信が発生するとの注意書きを加えているという。
ソフトバンクへの問い合わせは、同社カスタマーサポートセンター0800・919・0157(午前9時~午後8時)。【乾達】
毎日新聞 2011年5月10日 20時52分(最終更新 5月10日 21時46分)