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日雇い労働者:原発での作業は給水 大阪の男性

 宮城県女川町での仕事に応募した大阪市の60代男性が福島第1原発で働かされていた問題で、西成労働福祉センター(大阪市)は9日、男性と業者に聞き取り調査し、男性が福島第1原発敷地内で約2週間、給水作業に従事していたと明らかにした。

 募集した業者「北陸工機」(岐阜県大垣市)は「(元請けから依頼があったのは原発での作業だったが)混乱の中で女川町の現場を伝えてしまった。非常に申し訳ない」と釈明した。

 うその条件で労働者を集めたり、契約を結んだりするのは職業安定法や労働基準法に抵触する恐れがあり、大阪労働局が調査している。

 同センターによると、男性は3月17日、センターに張り出された女川町での仕事に応募し、同19日に大阪を出発。岐阜県で元請け業者と合流後、原発事故の対応拠点「Jヴィレッジ」(福島県広野町など)に到着し、原発で作業すると初めて気付いたという。

 作業は1日約6時間、防護服と防じんマスクを着用し、福島第1原発5、6号機冷却のため、給水タンクにホースやポンプを設けて給水車に水を移し替える内容だった。

 男性は募集時の倍となる約2万4000円の日当を受け取ったが「何の説明もなく福島に連れて行かれた。おかしいと思ったが(業者側に)物を言えるような雰囲気ではなかった。4日目にやっと線量計が配られた」と話した。

毎日新聞 2011年5月10日 10時40分(最終更新 5月10日 10時50分)

 

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