東京電力福島第一原子力発電所の事故で、計画的避難区域に指定されている福島県飯舘村の菅野典雄村長が、鹿野農林水産大臣と会談し、放射性物質が含まれた農地の土壌改良に向けて国の支援を求めました。
福島県飯舘村の菅野村長は6日、農林水産省を訪ねて鹿野農林水産大臣と会談し、村の基幹産業である農業や畜産業の再生に向けて作成した復興計画を説明しました。この計画では、土壌の放射性物質を吸収する性質が報告されているひまわりや菜種を生産することで農地を再生したいとしており、菅野村長は会談の中で「土壌の改良に向けて、具体的な方法や手順を詰めさせていただきたい」と述べ、国の支援を求めました。また菅野村長は、村の特産の和牛についても、できるかぎり村から遠くない場所に移動先を確保することを求めました。これに対して、鹿野大臣は「貴重な提言を頂いた。避難した農家が将来村に帰って、もう一度農業や畜産業を営むことができるよう地元と一緒になって研究していきたい」と述べ、国としても農地の土壌改良に向けた検討などを急ぐ考えを示しました。会談のあと、菅野村長は「鹿野大臣には前向きな話をしてもらえた。ひまわりなどを作付けすることで、訪れた人に明るい村だと思っていただくこともできるので、国の予算で土壌改良に向けた実験を進めてもらいたい」と話していました。