カメラ>カメラ調整マニュアル
「カメラ調整マニュアル」を製作
先日TDのKさんと雑談していた時、「カメラ調整のマニュアルって無いのかなぁ」という話になった。今度異動されてきた、音声出身のTDさんにカメラ調整の基礎を知ってもらうために資料を探しているそうだ。
確かに社内でそのような資料は見かけたことがない。カメラの取扱説明書にも調整方法までは載っていない。Webサイトを探してみても、カメラ調整の方法は見かけたことが無い。
TDのKさんは報道の要である局の編集センターを構築された方で、世界初のハイビジョンノンリニアシステムを開発導入した、すごい方なのだ。
そのKさんが声をかけてくださったのだから断わる理由はない。自分の頭の整理にもなると思い、1つのサブ、1つの番組、カメラ1台の調整方法に限定した上で、マニュアルを製作させていただくことになった。
当Webへ寄稿する時と同様に、知識が曖昧な部分は実験と検証を繰り返し行った。説明文と写真を対応させてビジュアルに訴える誌面づくりにした。
マニュアルは20日程要して完成したのだが、ページ数が30ページ超、写真の点数も100点超と、ちょっと厚めになってしまった。しかしながら、何とか形にすることができて胸をなでおろしている。
マニュアルを製作したことで、知識の曖昧な部分が整理できた一方で、もっと研究しなければならない部分も判明し非常に収穫は多かった。
残念ながら完成したマニュアルから丸々引用して当Webに掲載することは、局の情報漏えいになるので難しいが、今後のWebづくりにも大いに参考になるものとなった。
TDのKさんにはこのような機会をいただけたことを、この場を借りて御礼申し上げます。
ここでご紹介したカメラ調整マニュアルは社外秘のものとなります。大変申し訳ありませんがお分けすることができません。
このマニュアルの内容につきましては、当Web用に再構成して、順次掲載する計画です。お問い合わせいただいた皆様には心よりお詫び申し上げます。
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GAIN, GAMMA, FLAREの調整
GAIN, GAMMA, FLARE調整のポイント
前述のPEDESTAL調整と同様に、各ポイントのRch, BchをGchに収れんさせ、Master GAMMA、Master FLAREで各レベルを決定する。
ここで最も重要なのが、GAIN部分を常に100IREにしておくことである。「GAMMAをxx%にする」、「FLAREをxx%にする」という文言は、「GAIN部分が100IREの時」にという大前提の下に成り立つ。
ゆえに各ポイントのレベルを決定する際には、GAIN部分が100IREになっているかをこまめに確認する。
もうひとつ重要なのは、WHITE CLIPとKNEEをOFFにしておくことである。
WHITE CLIPが100IRE以下に設定されていた場合、GAINの調整ができなくなってしまう。
KNEE POINTは通常90IRE〜100IREの間に設定するが、IRISつまみにてGAIN部分を100IREにする際、KNEE SLOPEによって直線的にGAIN部分を100IREにすることができなくなってしまうからである。
GAIN調整の実際
WFMの表示をComposite表示にする(V方向の倍率を×1に戻す)。
カメラのCAP状態を解除し、IRISつまみにてGAIN部分を100IREにする。
WFMの表示をR, G, BのOverlay表示にし、V方向の倍率を拡大する。VERTICAL POSIつまみを回してGAIN部分を表示させる。
PEDESTAL調整と同様に、GAIN部分のRch, BchをGchに収れんさせる。
GAMMA調整の実際
WFMの表示をComposite表示にし、V方向の倍率を×1に戻す。
GAIN部分が100IREになっているかを確認する。ずれているようであればIRISつまみにてGAIN部分を100IREにする。
WFMの表示をR, G, BのOverlay表示にし、V方向の倍率を拡大する。VERTICAL POSIつまみを回してGAMMA部分を表示させる。
PEDESTAL調整と同様に、GAMMA部分のRch, BchをGchに収れんさせる。
WFMの表示をComposite表示にし、V方向の倍率を×1に戻す。
GAIN部分が100IREになっているかを確認する。ずれているようであればIRISつまみにてGAIN部分を100IREにする。
Master GAMMAつまみてにて目的のGAMMA値にする。
Master GAMMAがない機種であれば、GAMMA-Rch, Gch, Bchの各つまみを同じ分量ずつ回しながら目的のGAMMA値にする。
WFMの表示をR, G, BのOverlay表示にし、再度GAMMA部分の収れんを確認、補正する。
FLARE調整の実際
WFMの表示をComposite表示にし、V方向の倍率を×1に戻す。
GAIN部分が100IREになっているかを確認する。ずれているようであればIRISつまみにてGAIN部分を100IREにする。
WFMの表示をR, G, BのOverlay表示にし、V方向の倍率を拡大する。VERTICAL POSIつまみを回してFLARE部分を表示させる。
PEDESTAL調整と同様に、FLARE部分のRch, BchをGchに収れんさせる。
WFMの表示をComposite表示にし、V方向の倍率を×1に戻す。
GAIN部分が100IREになっているかを確認する。ずれているようであればIRISつまみにてGAIN部分を100IREにする。
Master FLAREつまみてにて目的のFLARE値にする。
Master FLAREがない機種であれば、FLARE-Rch, Gch, Bchの各つまみを同じ分量ずつ回しながら目的のFLARE値にする。
WFMの表示をR, G, BのOverlay表示にし、再びFLARE部分の収れんを確認、補正する。
調整精度を向上させる
調整精度を向上させるために、再びPEDESTALの調整から行う。
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WHITE CLIPの調整
WHITE CLIP調整の実際
GAIN UP(+3dB程度)して露出オーバーの状態にする。また、WHITE CLIP調整終了後にIRISを戻すのが面倒でなければ、IRISを開けて露出オーバーにする方法も良い。
WFMの表示をR, G, BのOverlay表示にしGchのみ表示させる。V方向の倍率を拡大し、VERTICAL POSIつまみを回してWHITE CLIP部分を表示させる。
WHITE CLIPをONにする。この時、*目的のWHITE CLIP値まで下がることを確認する。
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WHITE CLIPをONにすると設定値まで 波形が下がる |
PEDESTAL調整と同様に、WHITE CLIP部分のRch, BchをGchに収れんさせる。
WFMの表示をComposite表示にし、V方向の倍率を×1に戻す。再びWHITE CLIPをOFF/ONして目的のWHITE CLIP値まで下がることを確認する。
ずれているようであればWFMの表示をR, G, BのOverlay表示に戻して、もう一度収れんの手順から行う。
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WHITE CLIPを107IREにした例 |
終了したらGAIN UPを戻しておく。
WHITE CLIP調整のポイント
*目的のWHITE CLIP値
時間的に余裕のあるときに、WFMのCURSOR機能を利用して、WHITE CLIPをONした時にR, G, B表示でどの程度下がれば、Composite表示で目的のWHITE CLIP値になるのかを計測し、感覚としてつかんでおくとよい。
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KNEEの調整
KNEE調整の実際
WFMの表示をComposite表示にし、V方向の倍率を×1に戻す。GAIN部分が100IREになっていることを確認する。
WFMの表示をR, G, BのOverlay表示にしGchのみ表示させる。V方向の倍率を拡大し、VERTICAL POSIつまみを回してGAIN部分を表示させる。
KNEEをONにする。この時に波形がGAIN部分から少し下がることを確認する。ここがKNEE POINT部分となる。
もしこの時に波形に変化が見られない場合は、GAIN部分(100IRE)よりもKNEE POINTが高く設定されていることを示している。
後で正確に合わせるが、ここでは暫定的にMaster KNEE POINTつまみを回して、GAIN部分(100IRE)よりもKNEE POINT部分が下にくるようにしておく。
PEDESTAL調整と同様に、KNEE POINT部分のRch, BchをGchに収れんさせる。
WFMの表示をComposite表示にし、V方向の倍率を×1に戻す。KNEE POINT部分が目的のKNEE POINT値まで下がっていることを確認し、ずれているようであればMaster KNEE POINTつまみを回して目的の値にする。
GAMMA部分が80IREになるまでIRISを開ける。
KNEE SLOPEが目的のカーブになっていることを確認し、ずれているようであればMaster KNEE SLOPEつまみを回して目的のカーブにする。
Master KNEE SLOPEつまみを大きく動かした場合、KNEE POINTが変化している可能性が高いので、ここで再度KNEE POINTのレベルを確認する。
一旦、KNEE OFFにし、GAIN部分が100IREになるまでIRISを戻す。再度KNEE ONにし、目的のKNEE POINTになっているか確認し、ずれているようであればMaster KNEE POINTつまみを回して目的の値にする。
GAMMA部分が80IREになるまでIRISを開ける。
WFMの表示をR, G, BのOverlay表示にしGchのみ表示させる。V方向の倍率を拡大し、VERTICAL POSIつまみを回してKNEE POINT部分およびKNEE SLOPE部分を表示させる。
PEDESTAL調整と同様に、KNEE POINT部分およびKNEE SLOPE部分のRch, BchをGchに収れんさせる。
KNEE調整のポイント
KNEE POINTとKNEE SLOPEは密接に関わりあっており、一方を動かすと他方がずれてしまう。そのため、POINTとSLOPEは必ずセットで調整を行うようにする。
*KNEE調整の後はDETAIL調整に続きますが、DETAIL調整について、更に研究・検証の必要があるため、当Webでの紹介は省かせていただきます。ご了承ください。
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カメラ>チャート
グレースケールチャート表面の段差
カメラ調整でグレースケールチャートを撮像する時、カメラの位置はチャートに極力正対するように考慮する。しかし調整するカメラの台数が多い場合や調整環境が狭い場合等、様々な制約によって、
多少はあれども横に広がったり、俯瞰・仰瞰からチャートを撮像せざるを得ないことがある。
このようなケースでDetail調整を行うと、Detail-H/Vのバランスが目的とするレベルにならなかったり、たとえ目的のレベルになっても、コンパネ上のパラメータがとんでもない数値になってしまうことがある。
VEのOさんに相談したところ、チャートの表面に段差があり、それを斜めから撮像すると、その境界が顕著になり、Detail成分として現れてしまうのではないか、このような旨の説明をしてくださった。
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垂直方向から観察 |
水平方向から観察 |
実際にチャートを観察してみると、このチャートの場合、FLAREバランスをとる階調の上にGAINバランスをとる階調が重ね貼りされている。
この段差を斜めから撮像すると、影のようになり、これがDetailの偽信号になってしまうということのようだ。
この写真のように、正対から極端にかけ離れなくとも、Detail成分に影響が及んでしまうとは、改めてチャートとカメラを正対させることの重要性を感じた。
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グレースケールを撮像する際のズームの使用
グレースケールチャートを撮像するときは、状況が許す限りレンズのテレ端とワイド端の中間でとることが望ましい。テレ端だとシェーディングが極端に悪くなり、若干暗くなってしまう。ワイド端では周辺ひずみが気になる。
カメラマンも撮影する際、特殊なアングルを除いてはテレ端やワイド端を使用することは少ないだろう。
カメラ調整においても使用状態になるべく近い状態にするのが理想だろう。
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カメラ>基礎調整
FLAREは言うなれば、映像レベル追従型可変PEDESTAL
『入門 テレビ放送装置』(倉石源三郎/荒木庸夫/近藤昭治共著・東京電機大学出版局刊)にFLAREに関する興味深い記述があった。
フレーヤ補正回路) 各チャネルごとに映像信号の平均値を検出して,その値が大きいほどペデスタルレベルを下げて,全面にかぶるフレーヤを打ち消している.
まず、MCPやOCPなどのコンパネ上ではFLAREという名称にもかかわらず、実際にはPEDESTALを可変させているということが新たな発見だった。もちろんPEDESTALとFLAREは根本的に違うものであるから、
FLAREは言うなれば<映像レベル追従型可変PEDESTAL>ということになるだろうか。FLAREを強くかけ過ぎた際に、暗部がPEDESTAL(5IRE)を下回る場合があるが、この現象も感覚的に理解できる。
そして、FLAREの全体的な持ち上がりをMASTER PEDESTALで絞るのは適当か、という問題だが、FLAREが<映像レベル追従型可変PEDESTAL>であるということであれば、間違いではないと言えるだろう。
しかしFLAREの持ち上がりはFLAREで引っ張るのが筋だと考えている。
では、以前当Webでもご紹介したBLACK GAMMAはどうだろうか。調査する必要が出てきた。こちらに関しては何か分かり次第追ってご報告する。
注釈であるが、以上のことは生画における話である。カメラ調整においてグレースケールチャートのFLARE部分をR,G,B一緒に可変させたい場合にMASTER PEDESTALを使うということではない。
また、R,G,B FLAREをR,G,B PEDESTALでバランスをとるということでもない。
*<映像レベル追従型可変PEDESTAL>は造語です。FLAREを考える上でのいち解釈とご認識ください。
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GAINがPEDESTALにも影響している
“GAIN-GAMMA-FLARE”の「GAIN」は映像レベルの高い部分を調整する場合に使用するが、「PEDESTAL」部分にも影響を及ぼしていた。
下の写真は「CAP」状態の時の波形である。Rch, Gch, BchをParade表示し、V方向に×5してある。またその時のMCPの様子を左上にワイプした。
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写真1 この状態でホワイトバランス、ブラックバランスともほぼ規定値の状態 |
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写真2 故意に「GAIN」のBchをずらした状態 |
GAINのBchを足したはずなのに、PEDESTALのBchの波形が厚みを増してしまった。これは暗部のノイズが増大したということを示している。
なるほど、“GAIN-GAMMA-FLARE”の「GAIN」は“GAIN UP +6dB”等の「GAIN」とまさにイコールで、別の言い方をすると、GAINのBchを足すということは「GAINのBchをGAIN UPしている」ということと同じである。
ということは、光源の色温度に適したフィルターを選択していない場合、ホワイトバランスは取れたとしても、GAINのパラメータによってはノイズの多い映像になってしまうことが想像できる。注意が必要だ。
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GAMMA〜FLARE間のFLARE寄りが揃わない
ハンディカメラを2台使用する。一方が標準レンズでもう一方がショートズームレンズという運用である。
グレースケールチャートを撮像し、WFMに表示される11段の階段波形を観る。GAIN、GAMMA、FLARE以外の中間階調のレベルがキレイに揃わない。特にGAMMA〜FLARE間のFLARE寄りが揃わない。ある段では2〜3%程ズレてしまっている。
明るめのセットだったらほとんど目立たないと思われるが、そうでなければ気になってしまうかも知れない。出演者の衣装の色も気になるところだ。
PEDESTALでごまかすのは、絵柄が変わった際に黒がつぶれてしまう可能性があるのであまりいじりたくない。FLAREでいじってしまうのも、いわゆるフレアのせいではないので違う気がする。
このような場合、BLACK GAMMAやBLACK STRECH/PRESSでうまくごまかせるだろうか。BLACK GAMMAやBLACK STRECH/PRESSはグレースケールチャートで言うと、どの辺りが動くのだろうか。今後調べてみようと思う。
【追記】
後日実験したところによると、この場合BLACK GAMMAやBLACK STRECH/PRESSでごまかす必要は無いということが判明した。
→「標準レンズとショートズームレンズの波形比較」
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標準レンズとショートズームレンズの波形比較
先日書いた『GAMMA〜FLARE間のFLARE寄りの特性が揃わない』の記事は「標準レンズとショートズームレンズでは特性が違うので仕方がない。では、電気的に補正するにはどのようにすればよいか」という考えのもとで書いたものだった。
しかし今日の実験で、電気的補正の必要性はもとより、両レンズの特性の違いの通説が覆ることとなった。
実験の概要は以下のとおり。
用意するのはハンディカメラ1台(30分以上エージング済)と標準レンズ、ショートズームレンズを各1本。
まず、標準レンズを装着してグレースケールチャートを撮像。GAIN,GAMMA,FLARE,PEDESTALを収れんさせる。今回の実験ではW.CLIP、KNEEは考えないこととする。よってこれらはOFFにした。調整が完了したら波形モニターをデジカメで撮影する。
続いてショートズームレンズを装着し、同じように調整・撮影を行った(レンズが変わったのにGAINのBchを微調整するだけで済んでしまった。レンズファイルは未設定なのに優秀)。
撮影した2枚のデジカメ写真を比較できるようにしたのが下の写真。
懸念されていた標準レンズとショートズームレンズの特性の違いはほぼ皆無で、「GAMMA〜FLARE間のFLARE寄りの特性が揃わない」ということは無かった。「こんなにレンズの特性が違います」ということを皆様にお見せしたかったのだが、いい意味で裏切ってくれた。ショートズームレンズは特性が悪いというイメージは完全に払拭された。
ただ、新たな疑問が生まれた。今では嘘のように思える特性の違いがレンズの仕業ではないとしたら、それはどこに由来しているのだろう。
たまたま使用した2台のカメラヘッドの特性が極端に違っていただけなのか。そうだとしたら、それは直るのか。いずれにしてももう一度慎重に調べる必要がありそうだ。
※ショートズームレンズ=ワイドレンズ
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カメラ>W.CLIP
W.CLIP調整の時、IRISを開けずに…
カメラ調整。W.CLIP、KNEEなどをOFFにしてGAIN〜PEDESTALを調整する。これが終わると次はW.CLIPの調整だろう。
W.CLIPレベルに波形が張り付く程度に適宜IRISを開け、W.CLIPの確認および調整をする。
しかしある取説のW.CLIPの調整の項には“GAIN +6dBにする”という記述がある。なるほど! いちいちIRISを動かさなくて良いので便利だ。
W.CLIPの調整が終わると次はKNEE調整を行うので、再びIRISを白100%に戻さなくてはいけなかったが、GAIN UPならばボタン一つですぐに戻すことができる。
至極単純なことだが、目からうろこだった。
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カメラ>KNEE
春色の衣装
気候が暖かくなってくると、出演者は「春色」の衣装が多くなってくる。淡いピンク色、黄色、水色…など。
目で見るとキレイな色なのだが、カメラで撮るとなぜかあまりキレイに再現されない。これらの衣装は輝度が割と高くKNEEでかなり圧縮されてしまっているようだ(もしくはKNEEの調整が下手なのか…)。
ちなみにKNEE POINTは98%、W.CLIPは107%にしてあり、KNEE SLOPEはグレースケールチャートのクロスポイント(GAMMAの調整に用いる階調)を80%にした時、白の1階調目と2階調目がモニター上でわずかに判別できる程度にしている。
キレイに再現されないからといって、KNEE SLOPEのR,G,Bで調整してしまうと、別の輝度が高い箇所の再現が悪くなってしまう。
そこで思い切ってKNEEをOFFで運用するというのはどうだろう。
ただし注意点もある。ロケや中継など太陽光の下では照度の差があり使えなさそうだ。また音楽番組など照明の光源がカメラに向いている場合も危険ではないか。
トーク番組や報道番組などでは問題なさそうだ。
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KNEEの調整例
KNEE調整には「KNEE POINT」と「KNEE SLOPE」があるが、皆さんはどのように調整しているだろうか。
まずはW.CLIP、KNEEなどをOFFにしてGAIN〜PEDESTALを調整する。その後W.CLIPを調整する。
そしてKNEE調整。まずはKNNE POINTを設定する。
GAINが100%になっていることを確認する。この状態でKNEEをONするとKNEE POINTまでGAINがたたかれる。もし何も変化しなければKNEE POINTが100%よりも高いレベルに設定されているということになるので、KNEE POINTを適当なレベルにする。
次にIRISをグレースケールチャートのクロスポイント(GAMMAの調整に用いる階調)が80%になるまで開けてゆく。
KNEE SLOPEはKNEE POINT〜W.CLIP間に設定する。グレースケールチャートの白の1階調目と2階調目がモニター上でわずかに判別できる程度にしている。
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KNEEの設定をする時
KNNEの設定をする時、グレースケールチャートのGAMMAから上の階調の部分をセンターに撮像して行うのはどうか。レンズ特性の良い中央部でKNEEを設定することで、KNEE設定不良による明部の階調不良を改善することができると思われる。
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カメラ>DETAIL
HDは特にDTLが大事
HD制作のドラマなどを見ていると、カメラ同士の色は当然だが、特にDTLの違いが目立つような気がする。はじめのカットではDTLに違和感を感じなかったのが、別のカットに切り替わるとDTLがガチガチということがある。
今ドラマのロケシステムがどのようなシステムで行われているかわからないのだが、SDで制作していた頃は10"モニターで画づくりをしていた。もし現在でも10"クラスのモニターで画づくりをしているとすると、モニターの解像度が少々足りないかもしれない。
モニターの解像度不足でDTLが満足に調整できないとすると、何か対策を考える必要がありそうだ。
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SOFT DTL
Ikegamiのカメラには「SOFT DTL」という機能がついている。実は今までこのSOFT DTLをONすることによって、どのような効果があるのか分からなかった。
取説には「コントラストの大きい信号のエッジ信号に、白・黒個別の制限をかけることでギラツキを抑える機能」とある。コントラストの大きい信号――つまり、白と黒が隣接しているパターン――は
今まで画面内に存在していたものの、セットの背景などフォーカスの合っていない目立たない部分だったために、自分の目でSOFT DTLの効果を実感できずにいた。
ところがきょう、瞳の大きな出演者さんを撮影しているときに気付いた。瞳の黒目の部分と白目の部分が若干ギラついている。これはもしやと思い、SOFT DTLをONにしてみる。すると瞳のギラツキが緩和された。
SOFT DTLは普段使用しておらず設定をしていなかったので、瞳の活きた感じが無くなってしまう程ボヤけてしまったが、全体のDTL量は変えずに気になるところにポイントでDTL量を加減できるのは、とても便利な機能だと思った。
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カメラ調整をする時のDETAILはON? OFF?
以前こんな経験をしたことがある。あるカメラにてDTLをOFFにして調整し、後からDTLをONにしたところ色がズレてしまった。―これは比較的古いカメラでの現象だった。R,G,BそれぞれにDTLを付加するタイプで、そのDTLバランスが崩れていたのだろうか。
このような経験をしてしまったので、これ以降どのカメラでもDTLはONにして調整することにしている。
W.CLIPやKNEEはズレているとGAIN,GAMMA,FLAREなど基礎調整に影響があるが、DTLはどうなのだろうか。GAIN,GAMMA,FLAREのR,G,Bバランスは別にして、レベルがズレているとDTL量も変わってくるのだろうか。
一番確実な方法をとるならば、DTLをOFF/ONしてみて色が変わらないかどうかを確認する方法が無難だろう。
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Detailの調整項目
SONY製のカメラはコンパネ上から容易に操作できるDTLの調整項目が多い。
- Level
- Limiter
- Crispening
- Level Depend
- H/V Ratio
- Frequency
- Mix Ratio
- Comb
- White Limiter
- Black Limiter
- Fine Detail Level
- Knee Aperture
- Fine Detail …等
残念ながら身近に気軽に触ることのできるSONY製のカメラがないので実験できないのだが、これらを自在に操れたなら楽しいだろう。
Ikegami製のカメラでは通常、このように多くのDTLに関する調整項目には触れることができない。しかし何かしらの操作をすることによりSONY製カメラのように、
多くのDTL調整項目にアクセスすることができるようになるのだろうか。
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アナログ環境におけるDTL調整案
WFMのフィルターで「Flat」というモードがある。このモードでは輝度成分とともに、クロマ成分、DTL成分ともに表示される。
「Lopass Filter」モードにするとクロマ成分とDTL成分をcutして輝度成分のみを表示する。
そして「Chroma」モード。輝度成分をcutしクロマ成分のみを表示する。「Chroma」モードがクロマ成分のみならず≪DTL成分も表示≫するならば、輝度レベルの違いによるDTL量の分布を判りやすく表示してくれないだろうか。
グレースケールチャートを撮像しカメラ調整を行う。WFMのフィルターを「Chroma」モードにしてDTL成分を観測する。この場合グレースケールチャートを半分隠した方が観測しやすいかも知れない。Hレート表示の場合、上下の階調が重なって表示されるからだ。
残念ながら手近にあるTektronix WFM700には「Filter-Chroma」モードが付いていないので実験できないが、NTSCのWFMでは標準装備のフィルターモードなので容易に実験できるだろう。
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カメラサイズの違いによってDTLを加減する
カメラサイズによって画面のボケ味が違ってくる。ズームインして被写体を大写しにすると画面全体がカッチリした感じになり、ズームアウトすると若干甘い感じになる。もちろんこれはバックフォーカスがズレているということではない。
このような現象に対してはDTL-Gainを加減することでフォローしている。しかしなぜこのような現象が起こるのか。
レンズの特性だろうか。それも一因と考えられるが、CCDの一部分に像を結ぶ=CCDの一部分でその被写体を描画しているため、おのずと解像度が低下してしまうということではないだろうか。
ズームアウトすると「DTLが甘くなる」というよりは、「解像度が低下する」ということだろう。
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DTLの調整
カメラのDTL、実はどのように調整すればよいのか正確には分からない。「最終的には見た目だから…」と避けてきたが、波形モニターなどの測定器である程度追い込む方法はあるはずだ。
ひげ(波形モニター上でのノイズ成分)は10%〜15%位だとか、DTLはノイズ成分であるから、暗部にDTLをかけすぎるとS/Nが悪く見えるとか、ウィンドーパターンを用いて調整するとか。結局は断片的な情報しか得られない。
一口にDTLと言ってもたくさんの調整項目がある。それにもかかわらず明解な説明は聞いたことがないし文献も見当たらない。
DTL調整は映像のトーンを揃える上で大切な要素だと思われる。最終的には経験から得られるものが全てだと思うが、まずはベースとなるある程度の知識は必要ではないか。
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カメラ>運用の実際
オートセットアップを実行するには、リファレンスファイルが必要
本番直前、カメラが1台故障してしまった。そこで急きょ、予備カメラを使用することになった。しかしグレースケールチャートをとりなおす時間がない。皆さんはこのような場合どのように乗り切るだろうか。
AWBとABBをとり、あとは生画で合わせる。――中継現場の場合や、スタジオでも本当に時間がない場合にはそれも選択肢のひとつだろう。
もしリファレンスファイルが正しく作成されているのであれば、オートセットアップ機能の中の「LEVEL」セットアップを使用して、より厳密に追い込むことができる。本番中は、色合わせだけに専念するよりも、
LINEアウトを監視していたいものである。
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表 オートセットアップ実行時の調整項目 (Ikegami HDK-790Eの例) |
上の表をご覧いただきたい。○印のある調整項目が、各オートセットアップを実行した時に調整される項目である。お分かりのように、「AWB」「ABB」よりも「LEVEL」の方が調整してくれる項目が多岐にわたる。
しかし、この「LEVEL」を実行するには、リファレンスファイルが正しく作成されていなければならない。というのは、「LEVEL」セットアップは、
リファレンスファイルで定めたR,G,Bバランスやレベルに収れんさせているからである。オートといっても、その調整目標値は人が決めているのであって、カメラが自ら考えて調整しているのではない。
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写真 オートセットアップチャートの例 |
リファレンスファイルの作成は、時間をかけて丁寧に行う必要がある。セットアップチャートには均一な照明が必要であるし、周囲にはフレアの原因になるような光源や反射があってはならない。
また、チャートとカメラは正体にする必要がある。
シフトに保守の日などがあればその日を利用して行うべきで、決して他の業務の片手間で行う作業ではない。
また、リファレンスファイルの作成はTDやチーフクラスのVEに許可をもらってから行うことを強くお薦めしたい。
リファレンス(=基準)を書き換えてしまうため、SCENE FILEを使用している場合には、これも書き換える必要がある。
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SONY BVP-700シリーズ
ある局でSONY BVP-700シリーズを扱う機会があった。NTSCシステムで使用しているのだが映像は非常にきれいだ。
ただ残念なことに、一部の調整項目が片利きになってしまっていたり、MSU上の数値が異常――例えば、BLACK R,G,Bの数値が-40,0,+20など――になっている。このような片利きを元に戻すことはできないのだろうか。
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新聞は白黒ではない
新聞などの印刷媒体をカメラで撮影(いわゆる、物撮り)する時、その色はどうするべきか。撮影する照明下でグレースケールチャートを用いてカメラ調整し、それから撮影すればよいのか。
実際にやってみると、自分のイメージする新聞とは少し違うことに気付く。かと言って完全に白黒(CHROMA OFF)にしてしまうと、実際に新聞を撮影しているにもかかわらず、新聞のコピーを撮影しているように見えてしまう。
人々がイメージする新聞紙の色はどんな色だろうか。実際には少し赤っぽかったり、緑っぽかったりする。
ところが朝の情報番組などで新聞記事を紹介するコーナーを見ていると、不思議と新聞の色は自然に見えてしまう。人物など他の被写体も画面の中に入っているからだろうか。
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フルデジタルカメラだからこそ
以前このサイト上で「 PEDESTALのRchが変動」するという現象をご報告した。カメラを更新しておよそ2年、ほぼ24時間365日通電状態という状況で酷使してきた。
この2年間ほぼメンテナンスフリーでいられたのも、内部処理の多くをASICでデジタル処理していることによる恩恵だろう。
「フルデジタルカメラ」と言えどもアナログで処理している部分もあり、今回の「PEDESTALのRchが変動」の件もアナログ的な現象だった。しかしこのような過酷な使用状況で部品劣化の心配なアナログ回路も、この2年間ほぼメンテナンスフリーでいられたのだから、技術力の高さが窺える。
ASICについては こちらへ。
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SCENE FILEへはどの状態をSAVEするか
SCENE FILEはカメラの各調整値を記憶してくれる機能であるが、もし皆さんがこの機能を使うとしたら、どの状態をSAVEするだろうか。
これは報道スタジオにおける運用の話である。
有事の際にはすぐに生対応ができるようカメラは24時間365日通電のままで、VEも24時間365日交代制で常駐している。報道の特性上、日中、VEが交代する毎にカメラ調整をするには勇気がいる(有事はいつ起こるか分からない!)。カメラ調整をするなら深夜にコソコソっと行う。このような運用は他のスタジオとは違う。
ここで出てくるのが、SCENE FILEを使った運用である。
深夜、カメラ調整を行いその状態をSAVEしておく。VEが交代するごとにSCENE
FILEをLOADすればカメラ調整終了直後に戻る。LOADしてからは各々VEさんが色付けをする。
SCENE FILEを全面的に信頼している訳ではないのだが…無くては困る有難い機能だ。
一方、あるVEさんは本番終了後にSCENE FILEをSAVEするという。次以降に来る交代のVEさんは、そのSCENE
FILEをLOADするだけで微調整なしでOKということだそうだ。
果たしてそうだろうか。その調整はあくまでその時の条件(照明やカメラ位置・サイズ、出演者の衣装など)でのみ有効であり、毎回適応できるものではないはずだ。
ある日、SCENE FILEをLOADしてみたところ、生画で見てすぐに分かるほど暗部が沈んでしまっていた。急きょグレースケールを撮像してみたところ、PEDESTALが3%〜3.5%に、FLAREが7%〜9%程に設定されていた(通常はPEDESTAL 5%、FLARE 12%)。SAVEした段階ではこの調整でカラーマッチングできていたと思われるが、条件が変わってしまったのだろう。
実は、他のVEさんが調整した色で仕事をするのは苦手だ。どうしても納得のいく好きな色が出ない。
生画の状態でモニターやWFM/VECTORを使ってある程度戻すのは可能である。しかし、緊急時でもないのに生画中心の画作りというのは最善ではないような気がする。
グレースケールチャートを使ってカメラ調整を行い、その上で各々VEが自分の色を出すというのが本来の姿のはずだ。ただ報道スタジオでは毎朝必ずグレースケールチャートを使ったカメラ調整ができるとは限らないのでSCENE
FILEを利用しているに過ぎない。これをLOADした段階でカメラ調整終了とみなしているのである。
SCENE FILEをLOADするだけでOKとするならばVEさんは失業してしまう。VEさんの「今日はいい色が出てるな〜」とか、そういう本番中の楽しみ――醍醐味であり腕の見せ場が無くなってしまうのは悲しい。
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モニターのCHROMAを最大にしてカラーマッチングを行う
本番直前に生画で各カメラ間のカラーマッチングを行う。その際モニターのCHROMAを最大にしてカラーマッチングを行っているVEさんを見かけた。なるほど、確かに色の違いが分かりよく、各カメラ間の色を追い込みやすいかもしれない。
しかしカラーマッチングが終わりCHROMAを元に戻すとどうだろう。標準状態のはずなのに色がほとんど抜けてしまったように見える。そしてその状態のまま本番に突入…。当のVEさんに「目は大丈夫なんですか?」などとは聞かなかったが、おそらく色が抜けてしまったように見えているはずだ。
せっかく目が環境に慣れてきた=「目のキャリブレーションOK」になっているのに、本番直前にこれを狂わせてしまっては、モニターが無い環境でWFMとVECTORだけを頼りに本番に臨むに等しい。
若いVEさんは目の特性を理解し、事後のことを考えた上で真似する方が良い。「あのVEさんがやっていたから」などの理由だけでやるべきではない。万人向けではなく、目の適応力に長けているVEさんの「小技」と思った方が良さそうだ。
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カメラのcalibration信号はどこから挿入しているのか?
カメラのキャリブレーション信号(CAL)はどこから挿入しているのか。
まず、ジェネレーターは? HDK-790のBlock Diagramから「CAL GENE」はD.PROC基盤の「ASIC」に持たせていることが分かった。
それにしても「CAL」はもっと前段に挿入しなければ、回路のキャリブレーションができないのではないか。
そこで、CAL信号の発生はD.PROC基板上のASICで行い、これを回路の前段に返しているという仮説を立てる。しかしBlock
Diagramを見てもCAL信号が返る(例えばCCD直後のPRE-AMPやPRE PROCなど)ことを示す矢印は見当たらない。
ここで実験をする。
カメラ出力をCAL状態にしてマニュアルでGAINなどを操作する。するとどうなるか。CAL信号も変化した。
ということはGAINをコントロールするPRE PROC基板には既にCAL信号が入力されているということになる(AUTO SETUPを走らせると、GAINも収れんされる訳だから、当たり前といえば当たり前…)。
この仮説は合っていることになるが、Block Diagramに明記されていないのは残念。消化不良気味だ。
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カメラヘッドを「箱馬」に寝かせる
HDK-79EXではファンをカメラヘッド上部に設けているようだ。カメラヘッド下部から外気を取り入れヘッド上部から排出している。
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肩あてをはずしたところ |
カメラヘッド下部にはたくさんの空気口が |
よくカメラヘッドを「箱馬」に寝かせることがあるが、これではエアフローの効率がかなり低下してしまいそうだ。状況によってはシャーシが異常に熱くなっていることがある。
そこで、カメラヘッドを寝かせずに壁際に起こしておく。もしくはHDK-79EXの場合、右側が放熱板になっているので、こちらを上に寝かせておくのはどうだろうか。
誤ってもカメラヘッドの左側を上にして寝かせるのは避けた方がよいと思う。
(注・写真ではメンテナンス及び説明のために右側を下にしています。電源OFFの状態です。)
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カメラヘッド内のエアフロー
HDのカメラヘッドではかなりの熱が発生する。そこでカメラヘッド内部をファンを用いて強制通風している。自然通風だけでは間に合わないようだ。
以前ドラマスタジオにHDカメラを導入する際、音声さんからファンレスのカメラにしてほしいという強い要望があった。これを受けメーカーさんはシャーシ全面が穴だらけのカメラヘッドを試作してくれた。紙の書類をファイリングするときにパンチを用いるが、まさにこのような穴がカメラヘッドのシャーシにびっしりと開けられていたのだった。
残念ながらこれは実用化しなかったが、これだけ熱の問題がシビアだということを思い知らされた。
――耳につきにくいモーター音のファンの採用や、ファンの一時強制停止のスイッチを設けてもらい解決した。
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「プロンプつきカメラ」と「プロンプなしカメラ」の同時運用
プロンプター付きのカメラとそうでないカメラでは、IRISが約ひと絞り違ってくる。前者の方がIRISを約ひと絞り開けることになる。ひと絞り違うと被写界深度が変わり、結果映像のトーンが違ってくる。そこでプロンプターが付いていないカメラにND1/2を入れ、絞りが大体同じになるようにして映像のトーンを揃えている。
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カメラ>用語・略号
「AIT CCD」とは
放送用カメラの固体撮像素子としてはFIT CCDが主流であるが、近年"AIT CCD"という名称を目にするようになった。
今年のInterBEEにてIkegamiさんのブースにお邪魔した際に、"Advanced Interline Transfer CCD"だと教えていただいた。
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InterBEE2008でいただいた最新カタログ。 外観はマイナーチェンジであるが、その中身は大きな進歩を遂げている。 |
そのAIT CCDを搭載したHDL-45Aという機種のカメラを拝見したのだが、+18dB GAIN UPにもかかわらず、従来のカメラよりも粒状感が目立たなくなっている。
当然GAIN UPによるS/Nの低下は認められるものの、ノイズ成分の一つひとつが細かく、結果的に撮像した被写体は見やすい印象だった。
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「ASIC」とは
「Application Specific Integrated Circuit」のそれぞれの頭文字をとったもので「特定用途向けのIC」のことを言うそうだ。
Ikegamiのパンフレットには“新開発次世代デジタルプロセスLSI(ASIC)”などの記述があるが、自社でオリジナルのICを開発しているということになる。
「ASIC」が搭載されているD.PROC基板。
放熱板の奥にASICがいると思われるが、放熱板をはずす勇気はなかった。
※基板に触れる前に、体に蓄積した静電気を放電しています。また基板上の部品や端子に直接触れないように注意を払っています。
Application;適用
Specific;特定の
Integrated Circuit;集積回路
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「Hyper HAD」とは
SONY BVW-400Aのサイド部分に「Hyper HAD」という表示がある。また、他の機種では「Power HAD」という表記のものもある。――CCDの種類か何かだと思われるが、この「HAD」とは何だろうか。
HAD=Hole-Accumlated Diode ※Accumlate;蓄積する
「CCDの固定雑音を抑えるために使われるCCDセンサーの構造の一種」なのだそうだ。
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