ワシントン(CNNMoney) 米労働総同盟産別会議(AFL―CIO)はこのほど、2010年の米国企業の最高経営者(CEO)の平均年俸は1140万ドル(約9億4400万円)で、09年から23%上がり、国内の平均的労働者の年収の約343倍に上ったとの調査結果を発表した。
株式指数に使われるスタンダーズ・アンド・プアーズ(S&P)500の企業のうち299社についてCEOの年俸を調べ、労働省の統計による労働者の年収と比較した。最新の統計は09年の数字で、全職種平均3万3190ドルだった。
AFL―CIOのトルムカ議長は、経営陣の責任が問われた金融危機から3年もたたないうちに、CEOと一般労働者の格差は「ただ驚くばかり」のレベルに拡大したと指摘した。
AFL―CIOは企業の役員報酬を監視するウェブサイトを1997年から運営している。大企業のCEOの年俸と平均的労働者の年収の比率は80年当時42倍だったが、2000年には525倍を記録した。同サイトでは最終的に500社すべてのCEOの年俸を掲載する予定だという。
米国では近く、金融改革の一環として、すべての上場企業にCEOの年俸と従業員の年収の中央値の比率を開示することが義務付けられる。