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【芸能・社会】

渡辺謙 最新主演作は「はやぶさ」 小惑星探査機ミッションリーダー

2011年5月9日 紙面から

会見で「はやぶさ」のミニチュアを前に抱負を語る渡辺謙=東京・銀座で

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 俳優渡辺謙(51)が、東映60周年記念映画「小惑星探査機 はやぶさ−遥(はる)かなる帰還−」(仮題、2012年公開予定)で主演することが決まった。配給元の東映が8日、発表した。

 7年間60億キロにわたる宇宙の旅を終えた「はやぶさ」が無事地球に帰還するまでの苦闘を通じ、開発者や家族の絆(きずな)を描いたヒューマンストーリー。この日、東京・銀座の東映本社で会見した渡辺は「奇をてらうのではなく、どうやって帰還できたかを、ど正面から描きたい」と抱負を語った。

 2003年5月9日に打ち上げられ、昨年6月13日に帰還した「はやぶさ」。ミッション達成に「日本の底力」として世界中から注目を浴びた。渡辺が演じるのは「はやぶさ」のプロジェクト・マネジャー「山口駿一郎」。実際のプロジェクトを指揮したJAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙科学研究所宇宙航行システム研究系教授の川口淳一郎氏(55)をモデルに、通信途絶やエンジン停止など度重なる困難に遭いながらもスタッフをまとめ上げる役どころだ。

 「はやぶさ」のミニチュアを前に会見した渡辺は「いとおしさを感じますね」と笑いつつ、役作りについて「川口さんからは、膨大な予算を持っているNASA(米航空宇宙局)とどうやって戦うかという、反骨精神みたいな、楽しい話を聞かせてもらいました」と話した。

 その上で、福島第一原発事故など東日本大震災後の国難に触れ「高い技術と誇りをもって仕事をしている科学者が日本にいるんだということを、日本の観客に伝えたい」と気を引き締めた。

 東映は、渡辺を映画のプロジェクト・マネジャーとしても起用。国内外での豊富な俳優経験をもとに撮影現場のアドバイザーとしての活躍が期待され、渡辺は「みなが同じ方向を向いて日々、何かを創造していくためなら労は惜しまない」と誓った。

 監督は「犯人に告ぐ」などで知られる瀧本智行氏(44)。脚本は渡辺の主演映画「沈まぬ太陽」などを担当した西岡琢也氏(54)。原作はノンフィクション作家の山根一眞氏(63)の「小惑星探査機 はやぶさの大冒険」。総製作費は約15億円で、今月20日にクランクインする。共演者は近く発表される予定。

<「はやぶさ」> 2003年5月に宇宙科学研究所(ISAS)=現JAXA=が打ち上げた日本の小惑星探査機。「ハヤブサが獲物を捕らえるように、小惑星の岩石を採取してほしい」との願いを込め名付けられた。05年9月、地球から約3億キロ離れた小惑星「イトカワ」に着陸。昨年6月、オーストラリアの砂漠に帰還した。カプセル内から回収された砂粒の大半がイトカワのものと判明。地球の重力圏外にある小惑星から砂粒を回収したのは世界初で、地球の形成過程の解明などに役立つことが期待されている。

 ◆川口淳一郎教授の話 「はやぶさ」を帰還させたのは、負けてなるものかの、プロジェクトメンバー全員の意地と忍耐でした。この映画が、被災された方々、そして日本全体に何かしらの励ましとなれば何よりと思います。ゴールを信じて行動すること、熱い努力が成果を結び、自信と希望を与えることをぜひ発信してほしい。

 

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