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【大相撲】

技量審査場所始まる

2011年5月9日 紙面から

◇技量審査場所(初日)

 (8日・両国国技館)

 八百長問題を受けて興行色のない異例の場所が初日を迎えた。7場所連続優勝を目指す横綱白鵬(26)=宮城野=は小結豊ノ島を危なげなく押し出し、好スタートを切った。大関昇進を狙う関脇稀勢の里は安美錦に引き落とされ、黒星発進となった。史上1位の通算1045勝まであと10勝の魁皇は豪栄道に押し出された。大関とりの関脇琴奨菊は北太樹を一方的に寄り切った。

 4カ月ぶりに上がった土俵。「相撲があって今があるんだという感覚だった。気持ちよく、懐かしく感じた」。白鵬は相撲を取れる喜びを、豊ノ島を相手に7秒7の相撲で表現した。

 場所入りのとき。白鵬は国技館の北門で携帯電話を預け、支度部屋に入ったときは、監察委員として支度部屋を監視する師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)がいた。初場所までとはまったく様子は違っていたが、「引き締まった雰囲気」と逆に奮い立った。

 2月に発覚した八百長問題で同期生で同郷の猛虎浪などモンゴル出身力士が6人、全体で25人が処分を受けた。その後に東日本大震災。本来なら番付発表だった先月25日の会見では「こんなときに相撲を取っていてもいいのか。記録はどうでもいいや。優勝しない方がいい」と弱気な発言を繰り返していた。

 初日を前にしても、ファンがどう迎えてくれるのか不安はあった。それが、土俵入りではやじひとつ飛ばなかった。それどころか国技館が揺れるような大声援。「聞こえてました。温かく迎えてくれて感動した」。節電のため、スポットライトがあたっているかのように、そこだけ明るかった土俵の上で「しっかりまわりは見えてました」という。

 この日は母の日。「わたしは日本の横綱。すべての日本のお母さんにいい相撲を見せ、白星をあげたかった」。弱気な横綱はもういない。もらった感動を土俵で返す番がきた。 (岸本隆)

 

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