LAS小説超短編 アスカにゆうき!
※久しぶりのシンジ一人称LAS短編(LSA短編)です。
※TVアニメ版『瞬間、心、重ねて』のシンジとアスカが同じ部屋に泊まらされる最初の夜の場面です。
※第六使徒ガギエルが弐号機単独で倒されるなど、漫画版の設定と混じっています。
明日起きたら、勇気を出してアスカにこの僕の気持ちを伝えるんだ。
僕がアスカの悲しみを受け止められるかはわからないけど。
僕は自分のベッドの中でそう決心すると、同じ部屋のベッドで眠っているアスカを見てから目を閉じた。
僕はエヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジ。
父さんに呼ばれてから、僕と綾波は使徒と戦って何とか倒して来たんだけど、いつもギリギリの勝利だった。
そんな僕達のところに、心強い味方がやって来た。
惣流=アスカ=ラングレーと言うエヴァ弐号機のパイロットの女の子。
アスカは弐号機でドイツから日本にやって来る途中に襲ってきた使徒をあっさり倒してしまったんだ。
僕はアスカの操縦する弐号機の戦闘する姿をビデオモニターで見て圧倒されてしまった。
そして、僕達の前でも堂々と誇らしげにエヴァのエースパイロットして振る舞うアスカ。
それにひきかえ僕は自分に自信が持てなくて、上目遣いでアスカの顔をチラチラと盗み見てばかりだった。
でも、昨日の分裂する使徒との戦いで僕達は負けてしまった。
それで、アスカとユニゾンの特訓をするためにこの部屋で二人で過ごす事になったんだけど……。
アスカが夢でうなされて泣いている所を、僕はさっき見てしまった。
初めて見たアスカの涙。
目の前でアスカが寂しさに震えているのに、弱い僕は何もできなかった。
だけど、アスカ一人にばかり戦わせはしないよ。
明日、勇気を出してアスカの前で自信たっぷりの笑顔を見せるんだ。
絶対に下なんか向くもんか!
もし、アスカの胸の痛みを分けてもらえるのなら、僕が半分引き受けてもいいよ。
もう僕はエヴァに乗って使徒と戦うのが嫌で、落ち込んでいた。
だけど、アスカの笑顔を見て頑張ろうって励まされたんだ。
さっき、はっきりとわかったよ。
僕はアスカに憧れるよりも、愛しているって気持ちの方が強いって。
何もできなかった自分が情けなかった。
次は僕がアスカを支えてあげたいんだ。
だから、僕はアスカのために強くなるんだ。
明日起きたら、勇気を出してアスカにこの僕の気持ちを伝えるんだ。
悲しい気持ちは二人で割って半分にしてしまおうよ。
だから明日は、勇気を出してアスカに思いっきり微笑むんだ。
アスカの目を見つめて、決して反らしてしまわないように。
その胸の痛みは半分にしてしまおうよ。
その悲しみは半分にしてしまおうよ。
そして、喜びは二倍に増やそう。
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