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菅首相:G8サミットで新エネルギー政策表明へ

参院予算委員会で答弁する菅直人首相=国会内で2011年5月1日午後4時4分、津村豊和撮影
参院予算委員会で答弁する菅直人首相=国会内で2011年5月1日午後4時4分、津村豊和撮影

 参院予算委員会は1日、東日本大震災の復旧対策を盛り込んだ11年度第1次補正予算案の総括質疑を行った。菅直人首相は、今月末にフランスで開かれる主要国首脳会議(G8サミット)について「クリーンなエネルギーをより重視する姿勢を打ち出したい」と述べた。東京電力福島第1原発事故を踏まえ、風力や太陽光などを積極的に取り入れる新エネルギー政策を表明する考えを示したものだ。「(事故の)事実関係をしっかりと国際社会に伝える」とも述べ、日本の情報発信に対する国際社会の批判の払拭(ふっしょく)を目指す考えも示した。

 首相は第1次補正予算案の提出時期について「もっと早い方が望ましかった。おわびしたい」と陳謝した。

 野田佳彦財務相は、震災の本格的な復旧・復興策を盛り込む11年度第2次補正予算案について「税と社会保障の一体改革の成案を踏まえないと作れない」と述べた。6月末にまとめる税と社会保障の一体改革で、1次補正予算案の財源に転用した基礎年金の国庫負担分2・5兆円を穴埋めする財源確保のめどをつけて予算編成に臨む考えを示したものだ。

 また首相は、福島第1原発事故の賠償対象を検討している原子力損害賠償紛争審査会の第1次指針で対象外となった農作物などの風評被害について「できるだけ次の段階で入れるべきだ」と述べ、補償対象に含めるべきだとの考えを示した。被災地の事業主が二重ローンになることを防ぐ救済措置を検討する必要性にも言及した。

 第1次補正予算案は2日午前の参院予算委員会で採決され、同日午後の参院本会議で成立する見通しだ。【野口武則】

毎日新聞 2011年5月1日 21時09分(最終更新 5月2日 11時31分)

 

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