現代車会長が激怒 「排出ガスが基準値の11倍」(2)
  状況がこうなると、現代車の関係者は「こういう事実を研究所でも確認し、該当車への無償サービスを検討している」と述べた。

  現行の大気環境保全法では、排出ガス保証期間(5年または走行距離8万キロ)内にある自動車を対象に環境部が独自の調査をし、欠陥が見つかった場合、自動車メーカーに原因を究明させて是正命令を下したり、製作会社が自ら欠陥を認めればリコールや無償サービスで欠陥を是正するよう規定している。

  これを受け、現代・起亜車は9日、環境部に対し、排出ガス欠陥の発生原因や是正内容などを含む是正計画書を提出する予定だ。環境部に提出される計画書は、鄭夢九会長の品質安全優先主義を最大限に反映させた具体的な内容になるとみられる。

  「自動車生産技術=医術」という鄭夢九会長の考えは、丈夫な車を開発するだけでなく、品質が伴ってこそ安全な車を生産できるという哲学から出た。こうした理由で鄭会長は常に品質・現場経営を強調している。

  これまで現場で工場長が更迭される場合もあった。昨年8月の米アラバマ工場長だ。当時、米国に出張した鄭会長は組立ラインを視察しながら工場長に対し、「YFソナタ」のボンネットを開けるよう指示した。工場長がボンネットを開けようとしたが、ボンネットのフックを見つけられず、他の人が代わりにボンネットを開けると、工場長は現場で解任された。

  昨年2月には米国で生産した「ツーソン」「ソナタ」に安全問題が見つかると、リコール直後にアラバマ工場長を代えた。当時、鄭会長は「品質はいかなるものとも変えられない、顧客のための最高の価値だ」と叱責した。

  鄭会長は00年、現代車蔚山(ウルサン)工場を訪問した際、当時生産された「テラカン」のボンネットとドアを何度も激しく開閉した。ボルトの状況や最後の仕上げを自ら点検し、現場作業者に消費者の安全と密接する自動車生産の重要性を喚起させたのだ。

  鄭会長は突然現場に姿を現したりもする。役員会議の後、急に「唐津(タンジン)現代製鉄の一貫製鉄所の現場を見たい」と言って現場を視察することもある。しかもソウル良才洞(ヤンジェドン)現代・起亜車本社屋上のヘリコプター着陸地から専用ヘリコプターで40分で移動する機動性まで見せる。

  このように製鉄所建設現場を何度も訪れるのは、コストを減らすための工期短縮だけでなく、現場管理者に安全な施工のための緊張感を与えようという理由からだ。実際、唐津工事現場で報告を受け、問題点を見つけ出し、現場で現代製鉄建設所長(副社長)と工事を担当した系列建設会社現代エムコの役員を更迭したりもした。


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