東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県山田町。被災前の姿を集めた写真集「山田写真」を作る活動に、同町出身で東京都調布市のホームページ制作会社員、柴田大紀(だいき)さん(29)が取り組んでいる。「第1号」として4月末から5月初めにかけて10冊を配布。「懐かしさを感じることで前を向く力になれば」と願い、同町の避難所や道の駅などで地元の人に見てもらっている。
柴田さんは「故郷のために自分が何かできないか」と考え、ツイッターやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で写真の提供を呼び掛けた。全国の町出身者や観光に訪れたことがある人ら16人から約300枚が提供され、そのうち約100枚の写真を選んで編集した。「また見たいという人や、写真を提供してくれる人がいれば第2号、第3号を出していきたい」と話す。
観光名所ではなく「普通の街並み」がテーマ。柴田さんが避難所に持っていくと、被災者の女性が手に取って「うちの庭の木が写っている」と喜んでくれたという。http://ymd-photo.net/で閲覧できる。【山田麻未】
毎日新聞 2011年5月9日 11時36分(最終更新 5月9日 12時14分)