中部電力、浜岡原発の停止を決定 清水社長「首相の要請は極めて重いと受け止めた」
中部電力の水野明久社長は9日午後、政府による全面停止要請を受け入れ、運転を停止することを発表した。
水野社長は午後5時45分ごろから会見を行った。
当社は、内閣総理大臣の浜岡原子力発電所の運転停止要請を受けて、その対応について検討を重ねてまいりました。
その結果、本日の取締役会において、浜岡原子力発電所4号機、および5号機の運転の停止。
3号機の運転再開の見送りを決定いたしました。
当社は、内閣総理大臣からの要請は極めて重いと受け止めております。
総理の要請は、福島第1原子力発電所の重大事故を契機に、社会に広がった原子力発電に対する多くの人々の不安の高まりを踏まえたご判断と、理解しております。
原子力発電は、安全の確保を最優先に、立地地域の皆様をはじめ、社会の皆様の信頼を得て成り立つ事業であります。
当社の浜岡原子力発電所も、約40年の長きにわたり、この基本に徹して、地域の皆様をはじめ、実に多くの方々の信頼に支えられてまいりました。
今後もこの基本を揺るがすことは決してありません。
今回、福島第1原子力発電所の重大事故を契機に、原子力に対する新たな不安が広がりました。
当社は、皆様の新たな不安を真摯(しんし)に受け止め、安全最優先という原子力事業の基本を貫くべきであると判断いたしました。
具体的には、津波に対する安全の強化策を着実に実行し、その結果を、地域をはじめ、社会の皆様にきちんとご説明し、あらためてご信頼をしていただくことを最優先とすべきであると考えました。
この当社の安全強化への取り組みが、地域や社会の皆様の信頼を回復し、さらには、安心につながるための唯一の道であると信じております。
浜岡原子力発電所の運転停止により、立地地域の皆様はもとより、お客様や株主の皆様など、多くの皆様に、短期的には多大なご迷惑をおかけすることになります。
しかし、今、原子力事業に対する基本をぶらさず、安全強化を着実に実施していくことが、長期的には原子力発電を、安全かつ安定的に継続する礎となり、最終的には、お客様や株主の皆様の利益につながると考える次第です。
総理の要請の受け入れを決定するにあたっては、お客様、立地地域の皆様、株主の皆様に、過度なご負担や不利益が生じないよう、経済産業大臣に対し、運転再開の条件や、国からの支援策を確認いたしました。
(05/09 18:07)