2011年5月7日3時1分
民主党政権が昨年3月に公開に踏み切った1960年安保改定時の日米の「核密約」を巡って、公開は米国の世界戦略に影響を与えかねないとして、米側から強い懸念が繰り返し伝えられていたことが分かった。内部告発サイト「ウィキリークス」が入手した日本関係の外交公電を朝日新聞が分析し、判明した。
核を積んだ米艦船の日本寄港を認めた密約は、冷戦終結後の91年に米軍が水上艦の核搭載をやめたことによって意味を失ったとされていたが、公電からは、将来の政策変更があり得ることを視野に、「暗黙の合意」の継続にこだわる米側の思惑が明確にうかがえる。持ち込みを禁じた日本の非核三原則との関係が問われることも必至だ。
東京の米大使館発で国務省あての2009年11月27日付公電によると、同日、米大使館でズムワルト首席公使と梅本和義・外務省北米局長が密約問題の扱いを協議した。同公使は「艦艇の核搭載をあいまいにしておくことは抑止戦略の重要な要素だ。ルース大使は調査の行方を懸念している。これは単なる国内問題ではなく、より広い地球規模の文脈で米戦略に影響が出る可能性がある」と述べた。
梅本北米局長は米側の懸念に理解を示し、「やっかいな問題であり、たぶん普天間より難しい。(鳩山)現政権は『密約』調査がもたらす結果を理解していない」と応じた。その上で局長は、「核兵器についてさらに明解な説明を求める声にどう答えるのか、日米で非公式に協議を続けることが必要だ」と述べた。