福島第1原発事故で、放射線業務従事者の女性社員が国の規則(3カ月間で5ミリシーベルト以内)を超える被ばくをしていた問題で、東京電力は1日、新たに1人の女性社員が同様の被ばくをしていたと発表した。限度を超えたのは2人目。検査中のもう1人の女性は限度以下だった。
限度超えが判明した女性は40代で、3月11日の事故発生時、同原発内の復旧活動の拠点となる免震重要棟で体調不良の作業員の介護をしており、同15日まで働いた。被ばく線量は7・49ミリシーベルトで、うち外部被ばくが0・78ミリシーベルト、内部被ばくが6・71ミリシーベルト。現時点で健康状態に問題はなく、医師の診察を受ける。東電は「当時はマスクをしていなかった。作業員の衣類に付着した放射性物質を吸った可能性がある」としている。
一方、東電は、事故当時に免震重要棟で作業していた非放射線業務従事者の女性のうち2人の被ばく量が、それぞれ3・37ミリシーベルトと3・42ミリシーベルトだったと発表した。一般人の年間被ばく線量限度の1ミリシーベルトを上回っている。【江口一】
毎日新聞 2011年5月2日 東京朝刊