焼き肉チェーン集団食中毒 合同捜査本部、新たに富山市内の系列店を捜索
4人が死亡した焼き肉チェーン「焼肉酒家(ざかや)えびす」の集団食中毒事件で、店に牛肉を卸していた業者は、これまで「生食用の肉は出荷していない」としていたが、この業者の役員とみられる男性が、生食用の牛肉を通信販売していたことがわかった。
「赤身率が高く、ユッケやロースで使用できます」という説明とともに、インターネット上で販売される生肉。
販売している会社の住所とファクス番号は、焼肉酒家えびすに肉を卸していた東京・板橋区の「大和屋商店」のものと同じだった。
さらに、担当者として載っているのは、大和屋商店の役員とみられる男性。
これまでに、3つの県であわせて4人が死亡している今回の集団食中毒。
大和屋商店の関係者は1日、FNNの取材に対し、焼肉酒家えびすに卸していた肉について、「わたしたちが売っていたのは、生食用じゃないですね」と話していたほか、東京都の調査に対しても、「生食用の肉は出荷していない。加熱用を出荷していた」と説明していた。
一方、焼肉酒家えびすを運営する「フーズ・フォーラス」は、2日の会見で、「卸の方から提案をされて、『ユッケで、生肉として使えるお肉ですよ』と」と、大和屋商店からユッケ用として勧められたものだと説明し、双方の言い分は食い違っている。
合同捜査本部は8日、新たに富山市内の系列店「焼肉酒家えびす富山山室店」を捜索し、取引などの実態解明を進めている。
そんな中、富山県の「焼肉酒家えびす砺波(となみ)店」で4月、ユッケを食べ、食中毒で死亡した女性と母親の葬儀が、8日に営まれた。
参列者は「気の毒でね...。せめて、子どもさんたちだけでも元気になってくれれば」と話した。
亡くなった43歳の女性の長女と長男は、現在も重症で、入院している。
(05/08 17:43)