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冷却装置設置へ扉開放 福島1号機「環境に影響ない」(1/2ページ)

2011年5月9日0時59分

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図:放射性能物質放出のしくみ拡大放射性能物質放出のしくみ

 東京電力は8日午後8時過ぎ、福島第一原発1号機の原子炉建屋内で作業をするため、タービン建屋との間をふさいでいる二重扉を開放した。この影響で、原子炉建屋内の放射性物質が空気とともに外部に放出された。東電は、放射性物質は微量なので環境への影響はほとんどないとしているが、放出前に福島県や周辺市町村に連絡した。

 扉の開放は、事故で損傷した原子炉を安定的に冷やす装置を原子炉建屋内に設置するため、作業員が出入りするのに必要な措置。今後は常時開け放しておく。

 東電によると、扉を開放するとタービン建屋内の空気が原子炉建屋内に流れ込み、原子炉建屋内の放射性物質が空気とともに押し出されて、破損した天井のすき間から外部に放出される。

 東電の試算によると、放射性物質の放出濃度は、1号機西側360メートル付近での空間放射線量で毎時0.00042マイクロシーベルトに相当する程度。現在、原発敷地の境界で測定されている値の約4万分の1という。

 東電によると、敷地内の9カ所で測定している放射線量について、8日午後8時と9日午前0時で有意な変動はみられないという。

 東電は8日未明、放出の影響評価について経済産業省原子力安全・保安院に報告し、同日午後に保安院が了承した。保安院の西山英彦審議官は8日午後の会見で「周辺環境への放射性物質の拡散予測をしたところ、一般公衆の線量限度に比べて十分小さい」と話した。東電が福島県や原発周辺の市町村、政府が周辺諸国などに放出を事前に連絡した。

 保安院は今回放出される放射性物質の総量を5億ベクレルと試算した。4月に海に放出した比較的低濃度の放射能汚染水に含まれていた量の300分の1程度。

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