事件老舗紙おむつメーカー元幹部 20億円不正融資か2011.5.5 01:30

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老舗紙おむつメーカー元幹部 20億円不正融資か

2011.5.5 01:30

 紙おむつなどの衛生材料メーカー老舗「白十字」(東京都豊島区)の元幹部が取引先の医療関連サービス会社(千代田区)に対し、融資名目で約20億円の資金を不正流出させていた疑いがあることが4日、関係者への取材で分かった。不正融資は経営コンサルタント会社(港区)が仲介する形で行われていたが、コンサル会社社長は資金提供を受けていた医療関連会社の取締役を兼務していた。

 白十字社は先月、東京地裁に医療関連会社の破産申し立てをしており、今後、民事・刑事の両面で、元幹部や医療関連会社などに対する責任追及を検討している。

 巨額資金を不正流出させた疑いが浮上しているのは、白十字社に勤務していた元財務部長。

 同社関係者によると、元部長は白十字社の組織再編などにかかわっていたコンサル会社社長の仲介により、独断で医療関連会社に対する出資を実行。少なくとも平成15年夏ごろから、取締役会の了承を経ず、毎月数千万円単位で定期的に不正融資を繰り返していたという。通帳や口座管理は、元部長が一人で行っていたとみられる。

 元部長は21年6月に参事役となり、22年5月に退職。不正融資は退職直前まで行われており、総額20億円に上るという。

 元部長の退職前後に不正が発覚。元部長は同社の内部調査に対し「投資先の会社はエステサロンなども経営しており、将来的に自社に利益をもたらすと思った」、医療関連会社側は「正規の融資だと思っていた」などと説明している。不正発覚以降も、医療関連会社側からの返済はないという。

 白十字社は明治29年、脱脂綿製造工場として創業した老舗で、現在は大人用紙おむつなどの製造で知られる。22年3月期の経常利益は約10億円。不正発覚を受け、白十字社は同月期決算で、不正流出分にあたる約20億円の仮払金を計上している。

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