東京電力福島第1原発事故で、通常より高い放射線量が福島県内の校庭などから検出されたことを受け、文部科学省などは8日、福島市で、表土と下層の土を入れ替える方法でどの程度放射線量が低減するかの調査を行った。入れ替え後の表土の放射線量は10分の1以下に低下し、一定の効果が確認された。
福島大付属幼稚園で行われた調査には、独立行政法人・日本原子力研究開発機構の職員約20人が参加。園庭に約80センチ四方の二つの穴を約50センチまで掘り、一つの穴から別の穴に、表土を下の方に、底の土は表面に入れ替えるように移した。入れ替え前の表土の放射線量は毎時2.3~2.1マイクロシーベルトだったのに対し、入れ替え後の表面は同0.2マイクロシーベルトまで低下した。
園庭の砂場や、隣接する同大付属中校庭では、深さによる放射線量の変化を調べた。表土で毎時2.0~1.7マイクロシーベルトだった放射線量は、約20センチの深さになると同0.2~0.1マイクロシーベルトまで低下することも分かった。
同省は今後、詳細に調査結果を分析し、表土の入れ替えが放射線量低減のための有効な方法として提示できるかを判断する。【松本惇】
毎日新聞 2011年5月8日 21時14分(最終更新 5月9日 2時07分)