口蹄疫に放射能、農水産物の供給ルートに変化(下)

 日本の福島第一原発から漏れ出した放射性物質を警戒し、北極海やベーリング海、インド洋で獲れた水産物が食卓に上る機会も増える見込みだ。大手スーパー「Eマート」では最近、カナダ産のサバ7億ウォン(約5300万円)相当が完売したのに続き、先月ノルウェー産のサバ10億ウォン(約7600万円)相当(250トン、50万尾)を販売した。いずれも、日本近海の海水とは接触しない北極海で獲れた魚だ。また、ちょうど今の時期が旬のイイダコは、韓国国内での漁獲量が減っているため、コウイカと共にインド洋(タイ産)から輸入される予定だ。Eマートのハン・テヨン水産チーム長は「一部の水産物は、韓国国内での漁獲量が減っているのに加え、輸入水産物に対する認識も変わっていることから、新たな供給元の開拓を継続している。日本の原発事故以降、水産物市場の“多国籍化”が加速している」と語った。生のスケトウダラについては、日本に代わる漁獲地も開拓されている。生のスケトウダラは冷凍できないことから、ベーリング海で水揚げし、空港のあるアラスカのアンカレジやカナダのバンクーバーを経由して搬入する流通網が新たに開拓されている。

 一方、葉物野菜は、雨が降った日やその翌日に売り上げが5-7%程度落ち込む傾向が見られる。ある大手スーパーの場合、ソウル地域で雨が降った先月18日には前週比6.1%、先月7日には前週比5.2%の売り上げ減となった。葉物野菜は、季節によって品種や産地が決まっているため、代替手段がなく、担当者たちは頭を抱えている。このスーパーの関係者は「一部の消費者は“放射能の雨”に対する懸念が過剰なようだ。そのため、口蹄疫などの伝染病や放射性物質への不安がないエコ農産物に対する関心が高まっており、一般家庭の消費が増えている」と語った。

シン・ドンフン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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