東京電力福島第一原子力発電所では、比較的、濃度の低い汚染水が増え続けているという課題を抱えていますが、汚染水を大量に保管できる「メガフロート」と呼ばれる人工島が、10日にも現地に向かう見通しです。
福島第一原発では、爆発などで放射性物質が飛び散った地面に雨が降って地下水となり、施設のいたるところにしみ出すなどして、比較的、濃度の低い汚染水が増え続けているとみられます。中には重要な機器や設備が水につかりそうになるケースも出ていますが、汚染水は処理しないまま流すことができないため保管先に移すしかなく、この先、梅雨に入ると事態がより深刻になると懸念されています。比較的、低濃度の汚染水を大量に保管できる施設として、東京電力は、静岡市から提供を受けた鋼鉄製の人工島「メガフロート」を活用することにしています。「メガフロート」は長さ136メートル、幅が46メートルあり、内部におよそ1万トンの水をためることができます。1か月近くをかけて水漏れやさびを防ぐ工事、大型のクレーンの設置などが行われ、天候などに問題がなければ、10日にも停泊先の横浜港を出発し、福島第一原発に向かう見通しです。ただ、海に浮かんでいる間に汚染水が本当に漏れ出さないのかという懸念もあり、東京電力には慎重な対応も求められることになりそうです。