2011年3月18日 19時12分 更新:3月19日 1時37分
国内観測史上最大の巨大地震に襲われた東日本大震災の被災地は18日、発生から1週間を迎えた。近く仮設住宅の建設が始まるなど復興へ向けた動きも出始めたが、物資不足が続く。被災者の厳しい状況は変わらず、約38万人が不便な避難所生活を強いられている。死者は6911人に上り、阪神大震災(死者6434人)を超えて戦後最悪の自然災害となった。
政府の緊急災害対策本部によると、被災地ではこれまでに、自衛隊や消防などが計約2万7000人を救助。それでも18日午後5時現在、131人が孤立したまま救助を待っている。
岩手県では、県庁など各地で地震発生時刻に合わせて職員らが1分間の黙とうをし、犠牲者を悼んだ。今後は徐々に行方不明者の捜索から被災者の生活支援に重点を移す。陸海空の自衛隊でつくる「統合任務部隊」の君塚栄治指揮官も同様の方針を表明。
福島県は原発事故の影響で県外に避難する人が増えているため、受け入れ先自治体に連絡調整役の県職員を派遣することを決めた。県によると、山形、新潟、群馬、栃木、茨城、埼玉の6県が受け入れを表明している。
仮設住宅の建設も始まる。岩手県は陸前高田、釜石両市で計300戸の建設へ向け19日に着工。第1陣は4月上旬には入居できる見込み。福島県でも相馬市で建設用地を選定中で、早期に着工する。国土交通省によると、岩手8800戸▽宮城1万戸▽福島1万4000戸--の建設を各県知事がプレハブ建築協会に要請している。
東北電力では約32万戸が停電(18日午後3時現在)。ガスも大部分が停止したままだ。水道は宮城約45万戸▽福島約23万戸▽岩手約8万戸--など、11県で少なくとも100万戸が断水している。
国交省によると、被災地の高速道路や国道などの幹線道路は94%が応急復旧したが、市町村道などでは寸断された箇所も多い。東北新幹線は那須塩原-新青森間で不通だが、盛岡-新青森間は23日に再開予定。在来線は不通区間が多数残る。
気象庁によると、18日正午現在、マグニチュード(M)5以上の余震は少なくとも262回あり、うちM7以上は3回。今後、M7以上の余震が起きる確率は、同日午後3時から3日以内が30%、その後3日以内は20%となっている。