2011年3月18日 19時3分 更新:3月19日 1時26分
東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発の事故で、経済産業省原子力安全・保安院は18日、原子力施設事故の国際評価尺度(INES)で1~3号機について、国内では最悪の5とする暫定評価の結果を発表した。5は79年の米スリーマイル島原発事故と同じレベル。
INESは、国際原子力機関(IAEA)が定めた世界共通の尺度で、0~7までの8段階で評価する。第1原発4号機と第2原発1、2、4号機はレベル3とした。これまで史上最悪の原発事故と言われるチェルノブイリ事故(旧ソ連)はレベル7。国内では99年のJCOウラン燃料加工施設臨界事故がレベル4で最悪だったほか、福島第1原発1号機の事故について今月12日、保安院がレベル4と暫定評価していた。
政府と東電は18日、地震と津波で失われた、原子炉などを冷却するための外部電源の復旧に向けた電源ケーブルの敷設に着手。自衛隊は17日に続き高圧消防車で3号機に地上からの放水作業を実施したほか、東京消防庁のハイパーレスキュー隊も19日午前0時半ごろから約20分間、約60トン放水した。放水用の海水のくみ上げを予定していた岸壁が崩壊しており作業が大幅に遅れたが、隊員らは交代しながら手作業でホースを海まで延ばした。
また大阪市は18日、福島第1原発に緊急消防援助隊を派遣することを決めた。総務省消防庁からの派遣要請に応じた。特殊車両の出動などを検討しており、派遣の日時や規模を調整している。
福島第1原発の事故がレベル5と暫定評価されたことについて東京電力の清水正孝社長は19日未明、「極めて重く受け止める。広く社会の皆様に大変なご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げる。自然の脅威によるものとはいえ、痛恨の極み」との談話を発表した。【河内敏康、伊澤拓也】