2011年3月17日 17時30分 更新:3月18日 0時9分
日本プロ野球組織(NPB)は17日、東日本大震災を受けて再検討していた今季の公式戦開幕日について、セ・リーグは予定通り今月25日、パ・リーグは4月12日に延期すると発表した。当初は25日に両リーグ同時に開幕する予定だった。プロ野球で、悪天候などではなく意図的に開幕日を変更するのは、1950年の2リーグ制施行以降では初。【鈴木篤志】
会見した加藤良三コミッショナーは「苦しい時にこそ、必死にプレーする姿を見せることが我々の責務と考える」と話した。
パには、震災で甚大な被害を受けた仙台市を本拠地とする楽天が属しており、試合開催が困難な状況にあった。一方、セ各球団の被害は少なく、開催は可能と判断した。セでは今季の全試合を「復興支援試合」と位置づけ、電力使用の問題などでは監督官庁の指示に全面的に従うとしている。
セ・パ両リーグは15日の臨時理事会で、パは開幕延期、セは予定通り開幕の方針を決定。同日、NPBの実行委員会で審議したが、労組日本プロ野球選手会(会長=阪神・新井貴浩内野手)が「現在の状況で被災者を元気づけられるか」「原発事故による電力不足と選手の健康への不安」などを理由に、セの25日開幕に反対の姿勢を見せたため、継続協議となった。NPBでは17日に持ち回りの実行委員会を開き、改めてセ・パ分かれての開幕が決まった。
25日から4月11日までに予定されていたパの計44試合は、今後、日程を変更して組み込まれる。1チーム年間144試合は堅持し、クライマックス・シリーズ(CS)も予定通り実施する。花井史朗光・パ・リーグ統括は「4月12日以降の試合に変更はない。流れた試合は追加という形で組み込みたい」と話した。
セ・リーグが当初の予定通りに開幕することが決まったことを受け、「25日開幕」に反対の姿勢を見せていた労組日本プロ野球選手会では、18日に改めて12球団の選手の意見を聞くことになった。選手会事務局のメンバーが手分けして各チームを回り、選手たちにリーグの結論を説明するとともにヒアリングを実施。出来るだけ多くの選手の意見を集約し、NPBに伝えるとしている。【冨重圭以子】