2011年3月17日 1時6分 更新:3月17日 1時45分
16日のニューヨーク外国為替市場は、東日本大震災の被害を受け、日本企業の間で円の需要が高まるとの観測から、円を買ってドルを売る動きが強まり、円相場は一時1ドル=79円96銭まで急伸し、80円の大台を突破した。昨年11月1日に海外市場でつけた1ドル=80円21銭を突破し、約15年11カ月ぶりの円高水準。95年4月19日の史上最高値(1ドル=79円75銭)に迫った。
前日のニューヨーク市場では、地震による被害拡大を受け、日本企業の間で多額の保険金支払いや設備復旧のための資金需要が高まるとの観測が拡大。円が買い進められた。
16日の東京市場も流れを引き継ぎ、一時、前日午後5時比76銭円高・ドル安の1ドル=80円75銭まで円高が進んだ。ただし、政府・日銀による円売り介入への警戒感も働いて一方的な円高とはならず、午後5時時点は前日比59銭円高・ドル安の1ドル=80円92~94銭で取引された。【大久保渉】