2011年3月16日 20時57分 更新:3月17日 0時37分
東日本大震災によるインフラや生産設備などへの直接的な被害額について、民間金融機関が阪神大震災(95年)の約10兆円を超すとの試算を相次いで発表している。ただ、被災範囲が広い東日本大震災は被害の把握が難しく、福島第1原発事故の影響も含んでいないため「全体の被害額はさらに膨らむ公算が大きい」(ゴールドマン・サックス証券)という。
被害額は、ゴールドマンが16兆円規模、バークレイズ・キャピタルが15兆円超、野村証券金融経済研究所が13兆円程度と試算した。阪神大震災によるインフラや生産設備、建築物への直接的な被害額をもとに、「経済規模が日本全体の6~7%」(バークレイズ)を占める今回の被災地域と比較し、産業構造の違いも踏まえた。
被害額の試算には、生産や消費への間接的な被害や、原発事故や計画停電が及ぼす影響は含まれていない。ゴールドマンは、計画停電が4月末まで続いた場合、4~6月期の実質成長率は従来予測のプラス0.9%(年率換算)からマイナス0・2%に落ち込むと見込んだ。【久田宏】