2011年3月16日 19時39分
東日本大震災を引き起こしたマグニチュード(M)9.0の巨大地震によって、地球の自転速度が上がり、1日の長さがごくわずかに短くなった可能性のあることが分かった。米航空宇宙局(NASA)が発表した。人間の日常生活には全く影響はないという。
NASAジェット推進研究所(カリフォルニア州)のリチャード・グロス博士らのコンピューター解析によると、今回の地震で巨大な太平洋プレートが動き、地球の質量分布が変化した。その結果、地球の自転速度が増し、1日の長さが1.8マイクロ秒(1マイクロ秒は100万分の1秒)短くなったと見られるという。
地球には自転の回転軸である地軸とは別に、地球の質量的なバランス軸である「形状軸」がある。地軸と形状軸は約10メートル離れているが、今回の地震で形状軸が約17センチ移動し、地球が一時ぐらついた状態になり、自転速度の変化が生じたらしい。
グロス博士は昨年2月のチリ地震(M8.8)、04年のスマトラ地震(M9.1)でも同様の解析で、1日の長さが各1.26マイクロ秒、6.8マイクロ秒短くなったと発表している。【奥野敦史】