2011年3月16日 10時5分 更新:3月16日 21時45分
東京電力福島第1原発4号機で16日午前5時45分ごろ、原子炉建屋北西部付近から炎が上がっているのを社員が確認した。爆発音などはなかったという。社員が同6時15分ごろ、約500メートル離れた高台から目視したところ炎は見えなかったが、火が消えたかは確認できていない。4号機では15日朝にも同じ場所で爆発と火災が起きており、東電によると、火が消えていなかった可能性が高いという。【江口一、酒造唯】
自治体消防隊の消防車4台が現場に到着した。しかし、4号機の原子炉建屋周辺では15日夜以降、放射線量が一般の人の年間被ばく限度1ミリシーベルト(=1000マイクロシーベルト)を大幅に上回る1時間あたり100~400ミリシーベルトと高い場所があり、近づくことが難しい。
社員は、中央制御室の電源に使うバッテリーを、中央制御室に運んだ後、4号機から北西に約500メートル離れた災害対策本部のある免震重要棟に戻る際に炎を見つけた。
4号機では15日午前6時ごろにあった爆発の衝撃で、建屋の側壁と屋上に8メートル四方の大きな穴が二つ開いた。その後炎が見えなくなったため、同日午前11時ごろ「自然に火が消えたと思われる」と判断していた。東電は出火から再出火までの間、全く消火をせず、現場確認もしていなかった。東電は「現場が建屋の高い場所にあり、放射線量が高いため近づけない」と説明している。
東電によると、16日午前6時現在で風速2メートルの北西の風が吹いている。構内正門での放射線量は午前6時40分現在、1時間あたり837マイクロシーベルトで、一般の人の年間被ばく限度に近いレベル。中性子は検出されていないという。