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小田和正、全国ツアー1カ月遅れの“開幕”に涙

デイリースポーツ 5月8日(日)9時24分配信

 シンガー・ソングライター小田和正(63)が7日、長野県の長野BIG HATで5大ドーム公演を含む自身最大の67万人を動員する全国ツアー(25会場48公演)をスタートさせた。東日本大震災の影響で仙台公演など4会場7公演を中止し、約1カ月遅れでの“開幕”を迎えた小田は「この状況を乗り越えていくには長い時間が必要。このツアーを被災地の人たちが喜んでくれる日まで一歩一歩明るく走り抜けたい」とあいさつ。会場狭しと駆け回った3時間のステージでは、涙で歌えなくなる場面もあった。
  ◇  ◇
 「どんなに言葉を尽くしても歌っても、(被災地の人を)励ますことはできない。このツアーをするのは精神的にも物理的にも無理だと思いました」。1曲目を歌い終えた小田は客席に何度も頭を下げると、静かに切り出した。
 63歳8カ月での自身最大ツアー。5大ドーム制覇は国内外を含めソロアーティストとしては史上最年長と、記録ずくめのツアーの中止も検討したが「今は難しくても歌うことがいつかきっと役に立つことがくる」と3月22日に1カ月10日遅れでの“開幕”を発表した。
 本来は4曲歌唱した後に予定していたトーク部分を急きょ前倒しにし、「被災地のみなさんが喜んでくれる日が来るように、一歩一歩明るく走り抜けていくと決めました」と話すと言葉を詰まらせ、声をうわずらせた。
 横浜出身の小田は東北大学工学部に進み、大学時代の5年間を仙台で過ごした。東北の仲間との交流は続いており、仙台を「第2の故郷」と呼ぶ。地震、津波、原発問題に心が押しつぶされそうになった2カ月だった。
 2年5カ月ぶりのツアー「“どーも どーも”その日が来るまで」は被災地に配慮し、節電のため、照明をすべてLEDに替え、消費電力を約800キロワット時から400キロワット時にしたほか、電源車による自家発電を導入し、節電に気を配った。
 また、少しでもファンの近くに行きたい、と6つのステージを設置。のべ220メートルの花道を駆け回り、自身の持つ最年長オリコン1位記録を更新した6年ぶりのオリジナルアルバム「どーも」の収録曲をはじめ、“ただ祈り続けること そのほかに 自分にできることはあるだろうか”と歌う「明日」など3時間で30曲超を披露。
 アンコール前には「ぼくはぜひとも、日本が復興していくとこが見たい。気をつけて長生きしたい。頑張っていきましょう!」と呼びかけた。

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最終更新:5月8日(日)11時38分

デイリースポーツ

 

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