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1号機建屋入り口 午後8時開ける

5月8日 18時38分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所1号機で、冷却機能の回復に向けた作業を行うため、東京電力は、国の了承が得られたとして、8日午後8時ごろから原子炉建屋の入り口を開けた状態にすると発表しました。これに伴って、放射性物質の外部への漏えいが予想されますが、東京電力や国は、環境への影響はほとんどないとしています。

復旧作業が進む1号機について、東京電力は、原子炉建屋の中に人が入って作業を行うため、空気を浄化する装置を動かして放射性物質を取り除く作業を続けた結果、建屋の中の放射性物質の濃度が、全面マスクを着けて作業を行うことができる値まで下がったということです。このため、入り口の開放に向けて、経済産業省の原子力安全・保安院と協議していましたが、了承が得られたとして、福島県など関係の自治体や関係国に連絡したうえで、8日午後8時ごろから建屋の入り口を開けた状態にすると発表しました。東京電力によりますと、入り口の開放に伴って、予想される放射性物質の外部への漏えいを最小限に抑えるため、入り口に設置した特殊なテントはそのままにして換気用の配管を外し、8時間かけて自然に空気の入れ替えを行うということです。この放出による環境への影響について、東京電力は、敷地周辺で観測される空気中の放射性物質の濃度は法令で定められた限度以下で、最も高いと予測される場所での被ばく量も1万分の4ミリシーベルトと、一般の人が浴びても差し支えないとされる限度の1ミリシーベルトに比べ十分に小さいと評価されるとしています。この評価については、国も妥当だとしています。東京電力では、放射線量などを監視しながら、入り口の開放から8時間後の9日午前4時ごろ、特殊なテントを外したうえで、保安院の職員の立ち会いの下、建屋の中に作業員が入り、放射線量の測定などを行うということです。そして問題がなければ、格納容器を水で満たす冠水措置に必要な水位計の補正や、循環型の冷却システムに使う配管の点検などを行うということで、1号機の原子炉の冷却機能の回復に向けた作業が本格化することになります。