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私は原発反対派ではないけれど、もし自分が原発反対派だったら今後どんなことをするかを考えてみよう。 仮定として、私はどこかの原子力発電所から20km圏内に住んでいて、今回の福島第一原発の事故を契機に近くの原発の安全性について不安を持ったとする。
ここで、活動の目的、安全に対する懸念と補強必須のバックアッププランの確保は下記の通りである。
活動の目的:自分の住まいの近所を含めた近隣の安全確保
懸念:地震や津波等の外的要因に起因した電源喪失による原子炉の制御不能
バックアッププラン:原子炉建屋の補強
活動の目的は当然のことながら、非常事態にも原子炉が安全に停止し、近隣住民が避難しなくてもよい状況が確保できることである。
また、今回の東北地方太平洋沖地震によって明らかになったように、地震の揺れそのものに対しては、女川原発や福島第二原発の例にあるように原発は安全に停止できることが明らかになったわけだから、最大の懸念材料は福島第一原発のような全電源喪失である。 だからこれを何よりも避けるために万全を期す必要がある。
そして、そうした機能的な手段をバックアップする物理的な方法として、私なら原子炉建屋の徹底的な補強を要求する。
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<新しい原子炉の場合>
さて、もし近くにある原子力発電所が設計・施行の新しいタイプのものだったとしよう。 例えば東電の柏崎刈羽原子力発電所とか中電の浜岡原子力発電所にあるような原子炉である。 この場合は、以下のことを電力会社側に要求する。
①.コンティンジェンシー・プランの開示
②.その中で特に電源喪失対策の状況の確認
③.様々な非常事態を想定した訓練の実施
④.原子炉建屋の補強
①と③は既に行われているケースが多いだろうが、福島の事故を契機に、各社見直しを図るだろから、①の改定後のプランの開示を要求する。 そしてそれを詳細に検討してリスクの見積もりが甘いと思われる箇所は改善を要求する。
さらに、②の電源喪失リスクに対して、離れた場所への複数の非常用ディーゼル発電機の設置と、そこから原発までの配線の堅牢性の確保、さらには可動性の電源車の増設を要求する。
また、③法律で義務付けられている以上の頻度での非常事態を想定した訓練の実施を求める。 これは近隣住民や行政のオブザーバーの参加を要求する。 訓練に漏れが無いか、マニュアルどおり実施されているかどうか、機器は問題なく動くかを確認するためである。
ところで、今回の福島第一原発の事故の件で、ほとんど指摘が無いのが不思議なのだが、福島第一原発では水素爆発で原子炉建屋が次々に吹き飛んでしまった。 私はそれまでは建屋は水素爆発には耐えると思っていった。 なぜならスリーマイル島の原発事故の際にも水素爆発が起こったが、建屋はびくともしなかったために、外部への放射能の漏れは最小限だったからだ。
原子炉からの放射能漏出を防ぐ盾としては、圧力容器、格納容器、建屋の3つがあるが、圧力容器や格納容器にひびが入ったり、配管から放射能が一部漏れたりしても、建屋が無事なら外部への放射能の漏れは防げるし、周辺の放射線量も抑えられるから復旧作業もはるかに容易だ。 だが、今回のように建屋が壊れてしまって格納容器がむき出しになると処理が非常に難しいことになる。
スリーマイル島の事故において建屋が無事だったのは、よく知られているように、スリーマイル島の近くには空港があり、原子炉への航空機の墜落リスクがあったために、建屋を大型機の墜落に耐えるレベルに頑丈につくってあったからである。 しかし、福島ではそうではなかった。 建屋がヤワだったために水素爆発ごときで破壊されてしまったためである。 これは大きな誤算だった。
逆に言えば、スリーマイル島の建屋と同じレベルの頑丈さが福島第一原発の建屋にあったならば、たとえ今回のように全電源喪失といった危機的な事態になって、圧力容器内部で核燃料が多少溶けるようなことになったとしても、外部への放射能の漏出は最小限に抑えられたはずなのである。
だから、もし私が原子力発電所の近隣住民ならば、④既存の原子炉の建屋の補強を必ず要求する。 水素爆発にも耐えるように。
さて、これら①~④を確保した上で、⑤.電力会社側の費用負担で放射線線量計(リアルタイムで線量が分かるタイプのもの)や対放射能防災キットの各家庭への配布を要求する。 設計が新しい原子炉に関しては、とりあえずこれらの①~⑤が確保できていれば安心である。
また、電力会社側には上記の①~⑤くらいを要求するが、⑥近隣住民側における意思や認識の統一を図るために、原子力発電や放射線防護に関する勉強会を十分な回数だけ開く必要が在る。 こちら側の行動がバラバラでは話がまとまるものもまとまらないからだ。 講師は反対派と賛成派から両方呼べればなお良い。 知りたいのは客観的で科学的に正しい知識と正確な現状認識である。
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<古い原子炉の場合>
さて、もし近くにある原子力発電所がちょうど事故を起こした福島第一原発と同時期の設計・施行の古いタイプのものだったとしよう。 例えば日本原電の敦賀原発一号基(BWR)や関電の美浜原発一号基(PWR)は70年に造られた原子炉だ(だからと言って、これらの炉がすぐに危険だという意味ではないので念のため)。
これらは新しい炉と違って設計当時に想定されていた地震の影響度が新しいものとは異なるし、発電能力が低いものだ。 これなら最終的には廃炉を目指すことができるだろう。 「目指すことが出来る」と言うのは、「廃炉してくれ」という主張にある程度の説得性を持たせることができるという意味だ。
だから、近くにある原子炉が古いものであった場合には、上記の①~⑤を即座に要求すると共に、近い将来の廃炉計画を要求することにする。 ただし、ただ単に「廃炉しろ廃炉しろ!」と言ったところで相手が早急に動き出してくれるはずは無いから、古い原子炉2基を廃炉する代わりに、新しい原子炉1基の新設を容認することにする。
電力会社側にとってみれば、30万~50万キロワットの発電能力しかない旧型炉2基を使い続けるよりも140万キロワット級の原子炉1基を建てたほうがはるかに効率が良いし、近隣住民としてみても、設計の古い原子炉が2基あるよりも、今回の地震や津波のインパクトを考慮した最新型の原子炉1基のほうがはるかに安心できるというものだ。 「旧型2基 ⇒ 新型1基」へのリプレイスは両者にとってメリットがある提案だ。 これなら実現に向けて双方が動き易い。
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<反対派として避けるべきこと>
ところでこの場合、原発反対派として絶対にやってはいけないことは、「とにかく何でもいいから原子炉を全部止めろ!」とわめくことである。 これまでの反対運動の経緯をみればわかるように、そんなエキセントリックなことを主張すれば誰にも相手にされなくなってしまう。
目的はあくまで自分達の安全と平穏な生活の確保にあるわけだから、そのために推進側とも常に話し合いのできる状態を作っておかなくてはならない。 虚空に向かって大声を張り上げているような無意味な状態に陥ってはいけないのだ。 そして、近い将来の廃炉を要求する場合でも、相手が呑めるような案を出してやらないといけない。
電力会社の社員だって何も原発の近隣の人たちの安全を脅かしたいなどとは思ってはいない。 しかし、彼らも一定量の発電能力を確保する義務がある。 私達は対立する立場の人間と交渉をするなら、相手の立場を考えて、具現化しやすい案を出してやる必要がある。 目的はケンカをすることではなく、早期に実現可能な選択肢の中で、もっとも安全でかつ自分達に有利な状況を作り出すことにある。
現実を見ないエキセントリックな行動をして話をつぶしてしまってはなんにもならない。 自分達近隣住民や電力会社、そして社会全体にとって受け入れ可能な範囲で、もっとも良い案を提唱し実現できるよう努力すべきだ。
「局所解において自分は正しいのだから、極端な言動をしてもかまわないのだ!」という態度は子供のやることである。 60年代の学生運動は、私の私見では単なる若者のワガママの発露に過ぎないのだが、彼らは自分達の都合だけしか見ないで行動した結果、当然誰からもまともなエンティティだとはみなされなくなり自滅した。 結果、彼らは何も得ることができなかった。
もし彼らが本当に自分達の主張していることを実現したかったのならもっと賢く立ち回っていたはずだ。 そうしなかったのは、彼らが単なる甘えたガキだったか、あるいは本当はただ単に騒ぎたいだけだったのか、のどちらかだ。
だから、自分たちの安全を確保したい、自分の大事な人を真に守りたいと考えるならば、0か1かといった極端な議論をするのではなく、現実的な手を打たなくてはならない。 「全部ダメ」などといえば、交渉は決裂もしくは長期化し、結果としてすべてを失うことにもなりかねない。 上に書いたように相対的にリスクの高い旧型炉2基を止める代わりに、新型炉1基の新設を認めるのだ。 それならば相手も動かしやすい。 目的はあくまで安全確保である。 私達がすべきは、相手を非難しぶったたくことではない。
広義の正解は、0でも1でもなく、おそらくその中間にある。 相手は落とし所を0.5ではなく0.6にしようと試みてくるだろうから、それを0.5、さらには0.4くらいにまで引き寄せるのが、経験豊かで理性を持った大人の役割であると考える。
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まさにその通りです。説得力があります。失敗から学び改善するという方向が欲しいです。
また、核ミサイル着弾想定も含め、放射線状況下での対応能力の飛躍的向上が望まれます。
具体的には陸自の装備、人員、訓練の大幅強化、避難建物の核シェルター化など。
原発周辺では物流も滞ったわけで、耐放射線対策の車両の準備が欠かせません。また、耐放射線化ロボットなどの装備も。これらは電力会社ではなく、国家危機に対応する自衛隊の役割とすべきでしょう。
全くもって、その通りだと思います。
土屋さんは、原発反対派の立場を借りて理論展開されましたが、原発賛成派の立場に立っても、同じような結論になるのではないかと思います。現に私も、そのように考えています。
0か1かの極論は、原発問題に限らず、多くの場で目にすることができますが、最近特に目に余るものが増えてきたように感じます。
日本人は元々、八百万の神を信じるアナログ的な民族だったのではないかと思いますが、デジタル的な考え方の必要以上の浸食によって、柔軟な思考能力を失いつつあるのではないかと危惧します。
私は一応、原発容認派ですが
反対派の人々が原発が建つこと前提にして折衝していくのであらば、人に対する補償も重要だと思います。
建屋のなかに入り作業する方はそれこそ健康に害するほど被爆するでしょう、しかしそれは原発がある限りしょうがないことで終わらないと思います。
だからこそ国が現場作業員を管理指導し特別に年金のようなものを渡せるようにすべきです。
また周辺住民の方もそうで原発が存在するぶんのリスクプレミアムを直接税金を集め国が個人に支払うべきだと思います
現在は原発の人に対する補償は「絶対安全」とやらを盾にあまりにもおそまつにみえます。
たいていは国からの地方交付金と電力会社から仕事の発注によって賄われています。実際それがリスクに見合ってるとは思えませんし、周辺住民全員に行き渡ってるようにも見えません
また現場作業員は使い捨てもされてるようです
やはり原発のリスクリワードにちゃんと向き合ってこなかったせいなのでしょう。
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