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【三重】

地元は経済効果期待 尾鷲の火力発電所運転再開見通し

2011年5月8日

尾鷲市が稼働率アップを要望する中電の尾鷲三田火力発電所(7日、本社ヘリあさづるから)

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 中部電力が浜岡原発(静岡県御前崎市)全面停止の対応策として、運転再開を視野に入れていることが7日、明らかになった尾鷲市の尾鷲三田(みた)火力発電所。現在は電力需要がピークに達する夏場を除いてほぼ停止状態で、地元の岩田昭人市長は「フル稼働すれば地域への経済波及効果が大きい」と期待する。

 三田火力は1964年に1、2号機が運転開始。漁業や林業に代わる尾鷲の基幹産業となったが、最近は原油高や発電効率の悪さから運転の抑制が続いた。2号機は2004年に廃止、1号機も08年に停止した。現在は87年に運転開始した3号機が電力不足時だけ稼働しているが、昨年度は年間1割しか運転されなかった。

 財政難にあえぐ同市の岩田市長は7日、本紙の取材に「稼働率が上がれば、発電所内で使用する水道使用料や、原油を積んだタンカーの入港料など、市への収入が増え、経済効果が期待できる」と話す。「早急に中電から詳細を聞きたい」と要望し「全面的に協力したい」と期待感を示す。

 また、民主党県連代表の芝博一参院議員は同日、津市内で開かれた党県連幹事会後の会見で「例えばの話だが」と前置きし「尾鷲で止まっている火力発電所を動かすとかいろいろな方法で対応し、夏場の電力需要を乗り切ってもらえると信じている」と述べた。

 浜岡原発がすべて停止した場合、計361・7万キロワットの電力が失われる。エアコンの使用が増える夏場を中心に供給力不足が懸念され、中電は停止中の火力発電所の運転再開の検討に入った。三田火力のフル稼働には1号機のメンテナンスが必要だが、2つの発電機で最大87万5000キロワットを確保できる。

 同日の中電の臨時取締役会で原発の全面停止は結論が出なかったものの、中電三重支店の広報担当者は「社内での調整はこれから」と断った上で「浜岡原発を停止した場合は火力発電所の再稼働が必要で、尾鷲も候補地に含まれる」と予測。しかし「発電効率が悪く規模も小さいなどの課題もある」と話している。

 (鈴木龍司)

 

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