4人が死亡した焼き肉のチェーン店の集団食中毒事件で、富山県内の店のちゅう房で働いていた従業員がNHKの取材に応じ、細菌が付着しやすい肉の表面を削り取る、トリミングという作業を指導されなかったと証言しました。警察は、肉が流通のどの段階で汚染されたのか特定を進めるとともに、店での衛生管理の実態について調べています。
焼き肉チェーン「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件では、富山、福井、神奈川の3つの県で生の牛肉のユッケなどを食べた4人が死亡し、24人が重い症状になっています。警察の合同捜査本部は、業務上過失致死の疑いで、チェーン店を経営する金沢市の「フーズ・フォーラス」などを捜索し、捜査を進めています。この事件で、食中毒が出た富山県内の店舗のちゅう房で働いていた従業員がNHKの取材に応じ、食中毒を防ぐために国の衛生基準で定められた、細菌が付着しやすい肉の表面を削り取るトリミングという作業を、会社側から指導されていなかったと証言しました。この従業員は「会社のマニュアルにも一切なかったし、作業自体を知らなかった」と話しています。一方でこの従業員は、ユッケ用の生の肉は専用のまな板で切り分け、アルコール消毒も行っていたと話しています。警察は、肉が流通のどの段階で汚染されたのか特定を進めるとともに、店での衛生管理の実態について調べています。