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第14話 権欲
文聘side~
血の海と化した襄陽にて後任者を発令する声がしていた。
「……零陵太守に霍峻殿、武陵太守に李厳殿、江夏太守に文聘殿以上だ。」
大抜擢され、郡や県の長に、突如、大出世する事となった者は私を含め皆畏怖、恐懼した。
目の前にはかつての上司の死体。貪欲で乱暴な者達だった。民を貪り蓄財ばかりしていた。
しかし、彼らを殺せば後任がいなくなり国が荒れる。
それを前任者を一同に集めておいて、 全員を誅滅し、新たに後任者を発令するなんて方法で回避しようなど…しかも荊州の半分を任せるなど正気の沙汰とは思えない。
「ちょっといいかい。」
孫嵩殿が劉表殿に声をかける。そういえばこの人だけ役職がない。
「なんですか?」
「俺だけ役職がないんだが、忘れてたのかい?」
「あなたは孫嵩殿ですね。私はあなたが与えられた役職で満足するとは思っていません。この後の区星討伐の功にて地位を決めたいと思っています。望まれるのであれば太守の地位ならかまいませんがどうでしょう?」
「…いいぜそのいかれっぷり。いらねえよ。俺に太守なんて出来るわけねえしな。で、区星討伐ってのはいつやるんだ?」
「そうですね。明日にでも長沙に向かいたいと思います。その為の準備はできていているはずですが?」
「無茶な!」
「この後すぐにか?」
「無謀すぎる。」
周りから批判の声が上がった。たしかに無謀だ。ただでさえ統率のとれていない私兵の集まりなのだ。
相手は賊で練度も低いだろうが数は多いこちらも大きな被害が出てしまう。
「無茶は承知です」
「ならば」
「ならばどうします。このまま長沙の民と見捨てろと?」
「そ、それは…」
「納得がいかないと言うのなら出て行ってもらって結構です。代わりの人を呼ばせていただく。」
駄目だ、譲れない、これは私の得た機会だ。周りを見た、誰も出て行こうとしない。そうだろう、皆同じ気持ちのはずだ。媚を売り、賄賂を贈ったものと努力をし民を思い行動したものでは前者の方が出世する。こんな理不尽があってたまるか。
…しかしどういう事だ。討伐に行く前に地位を確約する意味がないだろう。私達がそれに感謝するとでも思っているのか。ありえない。……そういうことか。私たちは試されているのだ。目の前にあるかつての上司のように権力で人を釣る者か釣られるものかどうかどうかを試されている。与えられた地位で満足し精進を怠る人物かどうか確かめる気だろう。この人選はおそらく萠越のものだろう。それを自分の目で確かめる。孫嵩殿が除かれたのは十常侍に喧嘩を吹っ掛けるような人物ならば権力に酔うような人間ではないと判断した。権力を欲しがるなら彼らに媚を売った方が百倍いい。それと自分が何を求めているのか私達への手掛かりとしての意もあったのかもしれない。
「劉表殿!」
「どうしましたか文聘殿?」
「私も与えられた役職に興味はありません。孫嵩殿と同じで区星討伐の功にて地位を決めていただきたい!」
「…了承しました。」
「わ、私もだ。」
「私も…」
次々と
皆も権力や欲で釣られるような人間ではないと言いたいのであろう。
それにそのような人物をここに呼ぶわけがない。
権力や欲につられる人物が先ほどまでいたのだ。
そんな人物を求めているなら殺してなどいないはず。
「…分かりました。では明日の朝には進軍を開始します。準備に取り掛かってください。」
劉表side
うーん、みんな欲がないなあ。
確かに欲がなさそうな人物選んだんだけど、ここまでとは…
はっきり言って区星討伐はそんなに功績の挙げられる戦いにならないんだがどうしようか?
まともに戦っても普通に勝ちそうだし…
孫堅、曹操四天王とかとガチでやりあった武将とかばっかり選んで、しかも数も有利。
いや、油断したらダメだろう相手は多分恋姫の孫堅殺した奴。じゃなきゃ袁術の所にいないだろ…たぶん
それにしても集まった人たちが個性的すぎる
孫嵩のおっさんとか熊みたいで怖いんだが実力主義のプロパガンダとしてこれ以上の人はいないし、荊州は猛将タイプが少なすぎる。なんでこんなにいないんだよ。まだ俺何もしてないぞ。
文聘なんてどこの腹ペコ王だよって突っ込みたかった。アホ毛が考え事していた時動いていたんだがあれどうなってんだろう?
俺にこの人たち扱いきれるんだろうか。
キャラの容姿考えるのがめんど…原作キャラ使いたいなあ。
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