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高放射線量、主因は15日朝の爆発 風で30キロ圏外へ

2011年3月30日11時2分

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 福島市や福島県飯舘村の大気から高いレベルの放射線量が出たのは、福島第一原発で15日朝に起きた爆発が主因とする分析結果を、福島大学の渡辺明副学長(気象学)がまとめた。ちょうど、北西へ風がふき、雨も降っていた。いずれも原発から北西へ30キロ圏外だが、突出して高かった。米海洋大気局(NOAA)などの観測データから分析した。

 渡辺さんは「今後、大きな爆発がなければ、値は下がっていく」とみている。

 福島市と飯舘村の大気中の放射線量は15日の夕方以降に跳ね上がった。福島市では15日午後6時40分に毎時24.24マイクロシーベルト、飯舘村でも午後6時20分に44.7マイクロシーベルトの最高値を記録した。

 この日の午前6時過ぎに、福島第一原発2号機と4号機で爆発と損壊があり、放射性物質が放出されていた。渡辺さんは、爆発と気象や放射線量の観測データとの関係を分析した。この結果、爆発当時、原発近くの大気が北西方向に風で運ばれ、夕方以降に福島市や飯舘村上空を通過していた。また、夕方から断続的に雨が降っており、上空に舞い上がった放射性物質が落下した可能性が高かった。

 一方、16日午前も3号機で白煙が上がり、原発周辺では高い放射線量を記録したが、この時は原発から太平洋側に大気が流れ、飯舘村などの放射線量には影響しなかった。

 福島市と飯舘村では30日、ピーク時の7分の1、6分の1に下がった。(杉本崇)

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