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枝野官房長官の会見全文〈22日午前〉

2011年4月22日13時4分

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 枝野幸男官房長官の22日午前の記者会見全文は次の通り。

 【計画的避難区域、緊急時避難準備区域】

 「何点か発表、報告する。まず計画的避難区域及び緊急時避難準備区域の設定について、原子力災害対策本部長である総理から福島県知事及び関係市町村長に対し、指示が出されたので、公表をする。ご承知の通り、東京電力福島第一原子力発電所から20キロメートル以遠、20キロメートルより遠い周辺地域においては、気象や地理的条件などにより、発電所からの放射性物質が累積し、積算線量が高くなっている地域が特徴的に出ている。国際原子力機関(IAEA)などの国際機関の緊急時被曝(ひばく)状況における放射線防護の基準値年間20〜100ミリシーベルトとされているが、こうしたことを考慮すると、これらの地域に居住し続けた場合、積算線量がさらに高水準となり、事故発生から1年の間に積算線量が20ミリシーベルトに達するおそれがあるため、このような地域を本日、計画的避難区域とした。地域住民の方々はこの間も大変なご苦労をおかけしているところだが、さらに大きなご苦労をかけることになり大変申し訳ないが、健康への影響を考え、別の場所に計画的に避難して頂くことをお願い申し上げる。これら計画的避難区域に該当する地域は、東京電力福島原子力発電所から20キロメートル以上離れた地域のうち、葛尾村の全域、浪江町の全域、飯舘村の全域、そして川俣町の一部地域、南相馬市の一部地域が該当する。この計画的避難については避難にかかる具体的な手順、実施手順を当該市町村、県、および国が密接に連携しながら調整し、約1カ月後をメドとして実施する」

 「また、発電所から半径20キロメートルから30キロメートルの区域について、これまでの屋外退避の指示は解除する。一方で、いまだに安定しない発電所の状況にかんがみ、緊急に対応することが求められる可能性があることから、計画的避難区域に設定される区域を除く、おおむね20キロから30キロの区域について、新たに緊急時に屋内退避や自力での避難が出来るよう準備をするようお願いをする緊急時避難準備区域とする。この区域においては、引き続き、自主的避難をすることが求められ、特に子ども、妊婦の方々、介護を要する皆さん、入院患者の皆さんなどはこの区域に入らないことが引き続き求められる。他方、勤務等のやむを得ない用務などを果たすために、緊急時避難準備区域に入ることは妨げられない。特に物資の輸送等にかかわる皆さんは、通常時に当該地域に入って、物資等の運び込み等を頂くことについての問題はないので、ぜひしっかりと関係物資、生活関連物資等の当該地域への運送、運搬について、対応をよろしくお願い申し上げる。この緊急時避難準備区域に該当する地域は、東京電力福島第一原子力発電所から20キロメートルより遠く、30キロメートルより近い区域のうち、広野町、楢葉町、川内村、そして田村市の一部、南相馬市の一部が該当する。この区域における対応は当該市町村、県及び国の密接な連携のもとに行っていく。区域の設定のあり方については発電所からの放射性物質の放出が基本的に管理される状況になると判断される時点。先般の収束に向けた道筋によれば、6カ月から9カ月先になる。その段階で環境モニタリングのデータを集積、分析する等により見直しを行う。今回、新しい区域を設定したことで、住民の皆さん方には今までとは違った形ではあるが、引き続き様々なご苦労をおかけすることになるがご理解を頂きますようお願いを申し上げる」

 「また、発電所から30キロより遠い地域で新たに計画的避難区域に指定され、その区域にほとんどの住民が現時点で住んでいる飯舘村及び川俣町の2カ所について、現地政府対策室を立ち上げ、総務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省の職員からなる管理職級を含む両町村で8人を常駐させる。これらの職員は今朝現地に向けて出発している。この現地政府対策室において、地元町村と連携をとりながら、きめ細かな避難への対応、相談、生活支援等を行っていく。本件についてはこの後、原子力安全保安院で詳細なレクチャーを予定している。詳細についてのおたずねはそちらのほうにお願いする」

 【モニタリング強化】

 「次に環境モニタリング強化について発表する。4月11日に計画的避難区域等の設定についての大きな方針を発表した際、将来、区域の見直しを行うまでの間、環境モニタリングを強化して、データを集約分析していく方針を示した。これに沿って、本日、原子力災害対策本部として環境モニタリング強化計画を定めた。事故状況の全体像を把握するとともに、計画的避難区域等の設定の評価に資することなどのために行う。具体的には、各区域における線量評価等の準備などを目的とし、環境モニタリングの実施により、放射線量分布マップ、線量の測定マップ、積算線量の推定マップ、土壌濃度マップを作成する。陸地のエリアに加えて、海岸エリアについても、測定や拡散予測を行う。原子力安全委員会が蓄積されたモニタリング結果を総合的に評価し、それをもとに原子力災害対策本部が所要の措置をとる。具体的モニタリングの実施は文部科学省、ここには日本原子力研究開発機構や大学、米国エネルギー省との連携を含むが、さらには、防衛省、県警、福島県、電気事業者などと連携して取り組む。政府としてはこのような環境モニタリングの強化とその結果を踏まえて、さらに今後の適切な対応を取っていく。詳細については原子力安全委員会、文部科学省及び経済産業省が合同の記者会見を行う予定なのでそちらでお尋ね下さい」

 【イネの作付け制限】

 「次にイネの作付け制限について発表する。避難区域、計画的避難区域及び緊急時避難準備区域については、当該地域の農家の皆さんにとっては大変申し訳ないことだが、平成23年産のコメの作付けを制限することとし、原子力災害対策本部長から福島県知事に対し、作付け制限の指示をすることとした。当然のことながら適切な補償が行われるよう政府として万全を期していく。詳細については農水省にお尋ねください」

 【閣議】

 「続いて、本日の閣議の概要について申し上げる。本日の閣議においては、一般案件として平成23年度一般会計補正予算第1号等について決定し、その内容について財務大臣から説明があった。その他、一般案件等4件、法律の公布、法律案、政令、人事が決定された。特に本日決定された法律案には行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案が含まれている。政権交代によって目指している一つの目標が、この情報公開の徹底であって、私もこの法律案を作り始めるスタートの段階では、行政刷新担当大臣として第1次案を枝野私案として提起した。様々な調整の結果、おおむねその線に沿って法律案として閣議決定し、国会に提出することに至った。ぜひ早い段階で情報公開のさらなる徹底にむけた法改正が進むことを期待している。また本日、閣議決定した法律案には障害者基本法の一部を改正する法律案がある。障害者施策の推進について、関係者の皆さんからまだまだという声もあるが、特に今回、我が国の法制上初めて、隣で手話通訳も頂いているが、手話を言語として法律上位置づけるということに踏み込むことができた。大きな前進だと考えている」

 「最後に、本日の閣議前に開催された経済情勢に関する検討会合について若干の報告をする。震災のマクロ経済への影響、マクロ経済の実態を踏まえ、どのような経済財政運営が必要かを議論した。記者の皆さまは承知と思うが、総理からは次回会合において玄葉大臣と与謝野大臣が協力して政策推進のための全体指針をとりまとめるよう指示があった。会合の詳細については、すでに与謝野大臣から記者の皆さんには報告があったと承知している」

 【避難区域の設定】

 ――計画的避難区域だが、南相馬市は計画的避難区域と緊急時避難準備区域両方入っているが、どこがどうなっているのか。

 「詳細は保安院から報告するが、南相馬市のうち飯舘村や浪江町に近いエリアのある部分については計画的避難区域になる。それ以外の20〜30キロの区域については緊急時避難準備区域になる」

 ――ギリギリのラインの住民からは、計画的避難区域と緊急時避難準備区域で対応がまったく違う。ラインの引き方について納得いかない住民もいるのでは。

 「住民の皆さんにとってはいろいろな立場、思いがあろうかと思うが、そしてそれぞれの関係する市町村長も設定そのものについてなかなか思いとしては、つらい立場と思いがあろうかと思うが、少なくとも線引きについては放射線量についての科学的なデータと様々な地域の事情、状況等を踏まえて、もちろん安全を前提にしながら、線引きしている。そうした事情や経緯等を踏まえて、いわゆる直線的に線を引いたところとそれから地区のまとまりを考慮して線を引いたところと、現場市町村などとの相談を踏まえて、安全を前提にしながら、現場の実態を踏まえた対応をしているので何とか理解を頂きたい」

 ――計画的避難の「1か月後をメド」とは。

 「やはり1か月後はメドだ。もちろん、この間、関係市町村ともいろいろ話をしてきていて、当然その際には把握をしている放射線量モニターの結果等、あるいは今後もモニタリングを進めるので、当然早く出て頂いた方がいい地域と1カ月程度の余裕をもって進められていく地域と、いろんな状況を前提にしながら避難先の確保等、あるいはそれぞれの特に仕事その他について抱えている事情等も踏まえながら進めてまいりたいと思っているので、そういった意味ではメドというところにとどまる。できるだけ個々の事情にも考慮しながら進めてまいりたい」

 ――例えば5月末とか6月半ばとか。

 「メドなので、今日が4月の下旬だから、5月の下旬がメドになる」

 ――避難先の確保についての調整具合はどうなっているか。

 「できるだけ地元の皆さん、あるいは、より個々に住民の皆さんの希望を反映した形で進めてまいりたい。それについて、国としてできる限りの対応をしてまいりたい。ただ、仮設住宅の建設などについては一定の期間がかかったりする部分もある。例えば、それまでの間は旅館ホテル等の手配の一時的な仮住まい、さらに仮設住宅など、いろいろ柔軟な対応を国としても選択肢を町村などに示すなどして、できるだけきめ細かく、希望に可能な限り沿えるような努力をしたい」

 ――家畜の移動については。

 「家畜については、これまで特段の制限は行われていないが、ほとんどの関係者の皆さんが区域外の移動、出荷を自粛してきて頂いている。今後、計画的避難区域、緊急時避難準備区域に指定された地域について、区域外への移動や出荷について支援をしていきたい。家畜を区域外に移動出荷する際には、1頭ごとにサーベイメーターでの検査を実施し、一定の基準を超える場合は、しっかりと除染を行う。1頭ごとすべてにチェックリストを作成し、畜舎内で養育されていたことであるとか、適切に管理された飼料や水が与えられていたこと等について、福島県の家畜保健衛生所が確認を行うこと。除染が必要になった牛を搬出する車両についても、出車時にタイヤの除染等を行うこと。食肉についても、県として所要のモニタリングを行うことなどの取り組みを実施し、国として最大限の支援をしてまいりたい」

 ――土壌改良について決まっていることはあるか。

 「土壌改良についてはしっかりと進めていくし、出来るだけ早い段階から進めたいという大きな方針が決まっている。避難を計画的に進めて頂く一方で、さらにモニタリング等をきちっと進め、発電所の状況もにらみながら、出来るところから出来るだけ早くという方針の下で、主に農水省において検討を急ぐようお願いしている」

 ――計画的避難区域の一時立ち入りのルールは出来ているのか。

 「昨日決めた警戒区域とは異なり、そういったことをしようとは思っていないが、ぜひ一定の理解の下、避難をしっかりと頂きたい。ただ、立ち入る際については線量が高いわけだから、放射線管理に万全を期した一定の条件の下に立ち入って頂くということを考えている。例えば、職場、工場等が中にあって通うことが可能であるかどうかなどについては、勤務時間や立ち入り時間、そのうち屋外でどれぐらい作業するか、当該地域の線量等を色々具体的に判断して原子力安全委員会による安全性の助言を前提として、個別に調整をしてまいりたい」

 ――計画的避難区域の設定の遅れが避難先の受け入れに影響があるとの声が出ているが。

 「警戒区域の皆さんは事故の直後に避難されていて、1カ月余り体育館を含め大変厳しい状況の中で少なからずの皆さんが今なおそういったところに避難して頂いている大変申し訳ない状況にある。計画的避難区域等の設定のタイミングについては、安全性の観点から出来るだけ早い方がいいという観点、逆に地元の皆さんの声、要望、細かい実態等を踏まえて丁寧に準備検討の上で指定するべきだという声が両面、地元にもあった。政府としても両面考えなければならない。安全性ということについては揺るがせることはできないが、安全性が確保できる範囲内で、丁寧な地元の皆さんとの協議、要望を踏まえた対応をしてきたつもりだ」

 ――計画的避難区域内は工場などの稼働も認めていくのか。

 「一般論として全部大丈夫ですと受け止められると期待させて裏切ることになるので、個別にきちっとそれぞれの細かい状況を踏まえて、もし可能な放射線量の状況や入り方の形態によってはその可能性があるということまで申し上げたい。実際にそれが具体的に個別に可能になるのかどうかは、現場で詳細な状況を踏まえて今後対応していく」

 ――個人の判断ではなく、国の判断になるのか。

 「しっかりと放射線量のモニタリングとか、それを踏まえた安全委員会の助言を国として責任持ってやった上で、こうした条件なら可能であるということを相談させて頂きますので、特に計画的避難区域については少なからず線量の高い地域がある地域なので、だからこそ計画的避難を頂くわけだから、それぞれの個人の判断でということは控えて頂ければと思う」

 ――具体的な手続きは。

 「手続きというか、この間も地元からこういうことができないか、ああいうことができないかという個別のいろんな相談、要望を頂いている。そうしたことについて事前に出来る検討を進めてきている中なので、今後の1カ月をメドとした避難のプロセスの中で、何か可能なことがないか最大限のチャレンジをしたい」

 ――20〜30キロの間で計画的避難区域、緊急時避難準備区域で両方に該当しない地域と、該当しないとした判断理由は。

 「もちろん、それぞれの地域の線量であるとかリスクというかというものを安全性の観点からしっかりと踏まえた上で、それぞれの自治体の皆さんとこの間、協議をしてきた。具体的に言うと、20キロ〜30キロ圏内にいわき市の一部が含まれていたが、ここはどちらの指定もなくなって、そして屋内待避の指示も解除される形になる。いわき市については線量が高いという状況ではない中で、30キロ圏内ではあるが、大規模な放射性物質の放出、つまり、原子炉の悪化というような緊急時に備えて住民の皆さんがしっかりとした万が一の場合に自力で避難ができるという態勢がしっかりと確立されるということがこのエリアの指定の目的だ。いわき市については、市自らの組織的な避難準備等もしっかりと整えるということなどを前提に、いわき市からも強い要望があって、それから安全委員会等の意見も踏まえた上で、その一部について従来の20キロ〜30キロ圏内については、そうしたことを踏まえてどの指定もしないということが安全の観点からも可能であろうということの前提に基づいて、市の強い要望に基づいた結論を出した」

 ――地元との調整はどの点で時間がかかったのか。

 「地元の皆さんからは避難先はどうなるのか、もちろん、先ほど家畜の話も出たが、家畜はどうするのかとか、例えば、工場等の事業所どうするのかとか、様々な心配、当然のことながらあって、そうしたことについて、もちろんすべてを今の段階で確定的にお答えできることはできていない部分はあるが、少なくとも方向性、姿勢、考え方等について説明申し上げ、そうしたことのやりとりの中では具体的なやり方については現場の実情としてはこういう方が望ましいんだけどというやりとりもしてきた。そうしたことの中で、当然、当事者の皆さんからすればまだまだ納得できない思いはあろうかと思うが、政府として地元からの要望等について一定の把握をさせていただき、一定の方向性が示せたということでこのタイミングで指定することにした」

 【イネの作付け制限その2】

 ――稲の作付け制限について、具体的な内容は。

 「農水省にお尋ねをいただければと思う。農水省で基本的な考え方をまとめて、最終的には原発事故の経済被害の対応本部で政府としての方針をまとめようと思っている」

 【避難区域の設定その2】

 ――計画的避難区域の1カ月をメドというのは避難の完了なのか、開始時期なのか。

 「それは1カ月をめどに、できればすべての方が計画的に順次避難を終えて頂きたいというのが希望、政府としてのお願いだ」

 【イネの作付け制限その3】

 ――作付け制限だが、セシウムは半減期が30年ある。米作りが相当長い間できなくなるのではないか。

 「これについては土壌改良等、原子力発電所が収束した上で相当な力を注いで努力をしたいと思っている。もちろん、技術的に出来る限界があるのかもしれない。それから、実際に収束した段階でどの程度の放射性物質が、特に半減期の長い放射性物質の堆積(たいせき)があるのかということによっても左右されると思う。しかし、政府としては我が国の技術立国としての誇りにかけても、いかに早期に農業のできる状況に戻すことができるのかということについては最大限のチャレンジをしていくという考え方でいる」

 ――警戒区域で強制退去に踏み切る可能性は。踏み切るとしたら早めにやりたいのか。

 「昨日お答えした」

 【電力の使用制限】

 ――電気の使用制限について、15%という数字も出ているが、今の調整はどうなっているのか。

 「昨日の会見でも報告した通り、東京電力からは供給力の増強にさらに努力をしたということの報告は受けた。しかし、これが本当にしっかりと確保できるのかどうかについて、国としてもしっかりとした精査が必要だと思っている。また、実際にどの程度の需要の抑制が必要なのかも精査をしているところだ。当然、関係者の皆さんとしては、最大限の努力に向けていろいろ検討頂いているところだから、目標値は大変関心が高いことだと思っているし、できるだけ早く出したいと思っているが、精査をしっかりとし、間違えたら、どちらの方向に間違えてもいろんな意味で影響が大きいので、精査をしっかりとした上で政府としての考え方はできるだけ早い段階で示したい」

 ――示すメドは。

 「できるだけ早くと思っているので、できれば週明けの早い段階でと思っている」

 【避難区域の設定その3】

 ――南相馬市と川俣町のエリアの境界だが、当初想定通りの区分けになったのか。

 「その後のさらに細かい調査、モニタリングも行っている。直線的線引きというよりは安全性を前提としながらも地域が市町村の中もいろいろと地域割りがされており、行政的な地域割りもコミュニティーとしての一体性とかということも考慮した上で最終的な線引きをしている」

 ――計画的避難区域について戻ってこられる時期の見通しと避難区域の拡大の可能性についての見通しは。

 「1点目については、原発が収束することによって新たな放射性物質の堆積あるいは放射線量が高まるということがなくなるということが前提になる。そうすると、先日示されたように、6カ月から9カ月でそうした状況を目指すという工程表が示されている。その段階ではじめてそこから先の具体的なことについての検討ができることになっていく。当然、発表した通り、モニタリングについてはこの間強化をしてこの程度の土壌の汚染量だからこれぐらいの期間で戻ってこられるようになりそうだという見通しはその間に蓄積できていくと思うが、実際にプラントを収束させた時点から最終的な確認をしないと出てこない。そこから先はそれぞれの今回指定してお願いしている地域の中においても放射線量、放射性物質の量については違いがあるので、そうしたことをかなり細かく詳細に分析した上で示していくことになる。2点目については、今回指定しなかった周辺地域についてもさらに詳細なモニタリングをする。そのモニタリングを評価していくということになるが、少なくとも現時点で把握している情報の中、つまり放射線量のモニタリングの中からは原発の状況がこれ以上悪化しない中であればということが前提になるが、新たな指定の拡大についていま何か検討しているということはない」

 ――避難期間が月単位でなく年単位に拡大する可能性もあるか。

 「いま申し上げた通りだ」

 ――避難解除は段階的に地域の放射線量を見て解除していくということか。

 「原発の事態を収束させた上で、さまざまなモニタリングを最終的に確認して、それに基づいて判断するということに尽きる」

 ――一律ではない。

 「その時の結果がどう出るかということに尽きる」

 ――南相馬市と川俣町の一部地域とは。

 「詳細は紙と地図を含めて保安院から渡す」

 【高濃度汚染水の流出】

 ――高濃度汚染水が拡散する可能性についてどう考えているか。

 「いずれにしてもどういう出方のルートにしても、環境中に放射性物質がこの事故のために大量に放出していることについては大変遺憾に思っている。海への流出については可能性が判明した時点から随時モニタリングを強化してきている。そうした実際の海洋汚染の実態ということを踏まえた中で今回放出量についての一定の推定値が示された。引き続き海洋の現実の環境への影響についてのモニタリングをさらに強化して、それが特に健康、産業への影響を及ぼさないように厳しく見てまいりたい」

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