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浜岡原発全原子炉停止の報に反日左翼が狂喜乱舞しているようです。彼らにとっては国内すべての原子炉即時停止という破壊工作がはじめて結実した最初の事例になったからです。今後、浜岡原発からドミノ倒しのように各地の原子炉即時停止を強硬に求めていくでしょう。
まず菅総理が浜岡原発の停止を決断した理由ですが「東海地震の直前情報を手に入れたから」 という類のものではないようです。新聞報道などをみますと、浜岡原発即時停止を求めてきた反日左翼勢力が弁護団を結成し、近々に行政訴訟に入ることが確実になったたため、低空飛行を続ける支持率をさらに悪化させて政権終末期に入るのを恐れたことが決断につながったようです。
この決断は恐らく今後の日本に相当のインパクトを与えるのは間違いありません。中部電力の年間総発電量の約１割強を占める浜岡原発の停止によって、今後中部地区（とくに人口が密集する愛知県） の電力不足が深刻なものになる可能性があります。中部電力の発電量の約７割が企業向けとなっており、日本最大企業のトヨタの本拠地でもある同地区で電力の安定供給ができなければ、確実に日本経済にマイナス影響がでてくるでしょう。そして、（東電管内も同じですが） とくにトヨタのような巨大な製造業であればあるほど、工場を動かせないというデメリットはそのまま大量の失業者問題に直結するのです。
小さな記事でしたが、中部電力は「浜岡原発の停止に伴う電力不足のため、東京電力や東北電力への電力支援を中止する」 ことも原発停止の発表と合わせて明言しています。この意味は非常に大きなものであり、今夏の電力消費のピークに合わせて政府が策定した東電管内の節電計画を見直す必要に迫られています。さらに電力支援がなくなれば東北電力の計画停電はその規模を大きくせざるを得なくなり、やっと始まった被災地復興がさらに遠のくことは言うまでもありません。はっきりいえば、菅総理は今回の決断をするのに東日本地域のことを完全に忘却していたとしか思えないのです。
政府としては浜岡原発停止にともない中部地区の電力不足は避けられないとして、関西電力からの支援を期待しているようですが、その関西地区は東日本大震災を契機に東日本地域から工場や人がいっせいに流れ込んでいる状態で、とくに電力消費のピークとなる今夏は過去に例がないほどの使用量になると予測されています。この状況では関西電力も管内への安定的な電力供給が急務となり、他地域を支援するゆとりは恐らくないだろうと指摘されているのです。
菅総理が十分に対策を練ったうえで、上記問題への解決策と合わせて浜岡原発の停止を決断したのであれば、まだ救いようもありますが、記者会見の様子を見るにしても「これから対応策を考える」 という有り様です。反原発という新しいイデオロギーが誕生し、少なからずの国民が病的なまでの熱狂と興奮を繰り返す中では、どんな正論も叫んでもその声はかき消されていくだけでしょう。
しかし、どんな熱狂もいずれは日常へと回帰し、盲目的な興奮は現実の前に冷静さを取り戻さざるを得なくなります。そのとき、自らの責任を放棄することなく、反原発・原発の即時停止の結果がどうなったのかを直視してもらいたいと思うのです。
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