'11/5/7
保安院、津波15メートル想定の対策指示
福島第1原発事故を受け、経済産業省原子力安全・保安院は7日までに、原発で想定する津波を高く見直すよう電力会社などに要請した。第1原発は想定を9・5メートル上回る15メートルの津波に襲われたため、従来の想定に9・5メートルを上乗せするか高さ15メートルの津波を想定するよう求めており、各原発で引き上げられる。
電力会社などは、原発事故を受け原子炉建屋が津波を受けた場合の浸水対策を進めており、5月中にはほぼ終える。さらに2〜3年程度かけ防潮堤などを整備し、建屋が津波を受けないようにしたり密閉性を高めたりする。
保安院によると、原発で想定する津波の高さは土木学会の手法に基づいて設定されている。最低は関西電力高浜原発の1・3メートルだが見直しで10・8メートル、最高の東北電力女川原発は13・6メートルだったのが15メートルになる。
このほか北海道電力泊原発は従来は9・8メートルだったが新たに15メートルを想定、今後、水を通さない扉への交換を進める。北陸電力志賀原発は4メートルを想定していたが11メートル引き上げて15メートルを想定することを決め、2年程度かけて防潮堤を造るとしている。