(1) | SPEEDIによる単位量放出を仮定した予測計算結果(これまでに行った1時間毎の予測) |
○ | 今回の事故においては、事故発生直後から、文部科学省の委託業務契約に基づいて財団法人原子力安全技術センターが予測計算を実施しています。ただし、ここでは、上記のように放出源情報が得られていないことから、「単位量放出」を仮定した予測計算を行っています。これは、原子炉施設から放射性の希ガス又はヨウ素が1時間あたり1ベクレル(Bq)放出(単位量放出)される状態が1時間続いたものと仮定して、放射性希ガスによる地上でのガンマ線量率(空気吸収線量率)の分布と、大気中の放射性ヨウ素の濃度分布の時間変化を予測するものです。この予測は、これらの量の測定(緊急時モニタリング)の参考とするため、原子力防災関係者間で共有されてきました。この予測結果は、現実の放出量の変化を反映したものではありませんし、気象予測の誤差の影響を含んでいます。 |
○ | ここに示すこれまでの予測計算結果は、原子力安全委員会が文部科学省から提供を受けたものです。 |
| ⇒ これまでの予測計算結果はこちら |
| (※「SPEEDI」の運用は、文部科学省により原子力安全委員会事務局の執務室に派遣された(財)原子力安全技術センターのオペレーターによって行われています。) |
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(2) | SPEEDIによる積算線量の試算結果 |
○ | 今回の事故では、原子炉施設における測定によって放出源情報を得ることができないことから、SPEEDIを用いて発電所周辺の放射性物質の濃度や空間線量率の値を計算することができない状態が続いていました。このため、原子力安全委員会では、SPEEDIを開発した(独)日本原子力研究開発機構の研究者の協力を得て、原子炉施設での測定に代わる方法を検討し、試行錯誤を繰り返した結果、環境中の放射性物質濃度の測定(ダストサンプリング)結果と発電所から測定点までのSPEEDIによる拡散シミュレーションを組み合わせることによって、ダストサンプリングによってとらえられた放射性物質が放出された時刻における放出源情報を一定の信頼性をもって逆推定することができるようになりました。こうして推定した放出源情報をSPEEDIの入力とすることによって、過去にさかのぼって施設周辺での放射性物質の濃度や空間線量率の分布を求め、これによる事故発生時点からの内部被ばくや外部被ばくの線量を積算したもの(積算線量)の試算結果を以下の通り公表しています。 |