札幌市北区の路上で昨年6月、父親(61歳)と知人の女性(当時59歳)を車ではねて死傷させたとして、殺人などの罪に問われた住所不定、無職、金舛裕之被告(38)の裁判員裁判の公判が20日、札幌地裁(園原敏彦裁判長)であった。検察側は「短絡的な犯行で、何の落ち度もない知人も殺害し、助けようともしなかった」と指摘し、懲役25年を求刑した。判決は25日。
弁護側は「殺意は突発的で計画性はない。広汎性発達障害の影響で、とっさに衝動的な行動に出やすい」とし、刑の減軽を主張。金舛被告は「自分のやったことの愚かさを痛感した。私は死刑を望みます」と述べた。
この日の公判では、女性の遺族が被害者参加制度により意見陳述。金舛被告の世話などをしていたことについて、「母が手を差しのべていたことはすべて無駄だった」と述べ、厳罰に処すよう訴えた。【小川祐希】
毎日新聞 2011年4月21日 地方版