監査院・金融監督院、1年間不正を黙認=釜山貯蓄銀

2000億ウォン粉飾・違法PF融資を確認後も処置せず

監査院「監査結果出すのに1年かかる」

 監査院と金融監督院が、釜山貯蓄銀行によるプロジェクトファイナンス(PF、企業が新たなプロジェクトを立ち上げる際に行う融資)関連の金融不正を昨年初めに摘発しておきながら、1年近く適切な措置を取っていなかったことが分かった。このため、両機関が釜山貯蓄銀行の金融不正を事実上黙認し、今回の事態をさらに大きくした可能性が浮上している。

 検察が6日に明らかにしたところによると、監査院は昨年1-4月、金融監督院・預金保険公社と共に「庶民金融支援システムの運用と監督の実態」に関する監査を実施、釜山貯蓄銀行が8791億ウォン(約652億6000万円)台のPF融資をする際、2000億ウォン(約148億5000万円)台の粉飾決算を行い、自己資本比率を操作していたことを確認していたという。監査院は第1次監査を昨年4月初めに終えたが、最近まで監督当局である金融監督院の手抜き検査の責任や、釜山貯蓄銀行の大株主の責任を問うといった後続措置を取らずにいた。

 検察は「監査に加わっていた金融監督院も、昨年8月に8700億ウォン(約645億9000万円)台の違法なPF融資のうち、ごく一部である納骨堂事業関連の違法PF融資を検察に通報していただけだった」と明らかにした。監査院は、それから7カ月余り過ぎた今年3月になって、初めて具体的な措置を盛り込んだ監査処分を決定した。この時は既に、釜山貯蓄銀行問題が本格化していた時期だった。監査院はまた、大検察庁(日本の最高検察庁に相当)中央捜査部が釜山貯蓄銀行を家宅捜索する前日の3月14日、検察の要請を受けてようやく1枚だけの「監査結果書」を検察に提出していたという。

 これについて、監査院は「監査に着手してから最終的な結果が出るまでは通常1年ほどかかる。正常な手続きによる措置」と話している。

李明振(イ・ミョンジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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