菅直人首相が6日、中部電力に対し、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の運転を全面的に停止するよう要請した。東海地震の震源域の真上に位置し、津波対策が不十分であると判断したからだ。政府はあくまで浜岡原発特有の措置として他の原発には運転停止などを求めない方針だが、「浜岡停止」の影響を徹底して議論した形跡はない。全国には32基の原発が定期検査などで止まっており、再開には地元の反発がいっそう強まりそうだ。
全国の原発54基のうち、3月11日の東日本大震災で11基が停止した。定期検査で止まっていた原発も21基あり、現在は22基が運転中だ。
日本の原発はどれも海沿いにある。太平洋側には福島第1、第2原発のほか、東北電力女川原発(宮城県)や日本原子力発電の東海第2原発(茨城県)などがあるが、震災で止まった。九州電力川内原発(鹿児島県)も太平洋側だが、浜岡原発のように東海地震ほど大きい地震の想定震源域からは外れている。
経済産業省の原子力安全・保安院は6日、電力各社に対し、全国の原子力発電所が想定すべき津波の高さを従来より9.5メートル上積みすることを求めた。各社は2~3年以内に防潮堤設置などの対応策を実施する。津波が高くなる太平洋側の原発では、15メートル級の津波を想定しなければならないという。
太平洋側で発生するプレート型地震に比べ、活断層で起きる直下型地震は地震の規模はひとまわり小さくなるが、全国の原発で起こりうる。経済産業省原子力安全・保安院は電力各社に原発周辺の活断層の状況を調べ、未知の断層で起きる地震も考慮に入れたうえで耐震性を再評価するように求めている。
電力各社によると、現状では耐震性を満たさない原発は存在しない。ただ、過去には東日本大震災以外でも「想定外」の地震も起きた。東電柏崎刈羽原発は2007年の新潟県中越沖地震で事前に想定した揺れを超えて全号機が停止し、一部はまだ運転再開できていない。東北電力女川原発も東日本大震災で想定の揺れを超えた。
現在、定期検査や東日本大震災の影響で止まっている原発については、運転再開に地元の了解が必要。唐突ともいえる浜岡原発の停止要請の影響は大きく、全国の原発立地地域で再開に慎重な判断を求める声が強まるのは必至だ。
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