'11/5/7
焼き肉各店がユッケ自粛 安全基準不明確で国批判も
各地の焼き肉店には保健所が立ち入りを始め、ユッケ販売を自粛する店も出始めた。一方、生肉の安全基準が不明確で、国の対応を批判する声も上がっている。
6日午後、食品衛生監視員2人の立ち入りを受けた名古屋市の「あみやき亭千種店」。監視員は冷蔵庫の温度設定や包丁、まな板が洗浄されているかチェック。「市内の検査を急ぎたい」と話したという。
福井県も県内約380店の立ち入りを開始。福井市の焼き肉店社長(41)は「国の基準がはっきりするまでユッケは自粛」と話した。
「全国焼肉協会」によると、焼き肉店は全国に約2万店。韓国料理ブームもあり、ユッケ人気は高まる一方という。販売を続ける店には「問題があったのに、まだ出しているのか」、逆に提供を控える店には「なぜ出さないのか。肉が古いのか」と苦情が寄せられている。協会の
「焼肉屋さかい」など143店舗を展開する「さかい」(名古屋市)は2日からユッケ販売を停止。通常通り販売する「叙々苑」(東京)は「衛生検査で安全と判断した肉だけを仕入れている。検査結果の報告書も付けている」とPRする。
「風風亭」を展開する平田観光(大阪府高槻市)も5日からユッケを自粛。客から「死者が出た店と同じ食肉卸業者ではないか」との問い合わせもあるという。衛生基準はあるが、そもそも基準を満たす生肉は流通していない。担当者は「生肉の流通実態についてお客さんの不信感が強い」。
東京都内の焼き肉店店長も「国がしっかり基準を出していないのがおかしかった」と批判した。
東京都渋谷区の「ぱっぷHOUSE 渋谷本店」はホームページに「鮮度の間違いのないものを提供していますが、体調と相談の上、ご注文ください」と記載。