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浜岡原発停止 中部電、計画停電回避へ 火力発電を増強

2011年5月7日13時6分

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 中部電力は、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全3基の停止を求めた菅直人首相の要請を受け入れる方針を固めた。7日午後1時から始まった臨時取締役会で、今夏の電力需要ピークに備えて、火力発電所の出力を引き上げたり、関西電力などほかの電力会社に融通を求めたりすることが可能かどうか判断する。

 中部電内では首相の要請を「命令に近い重みを持っている」(幹部)と受け止めており、定期検査中の3号機に加えて稼働中の4、5号機も停止に向け調整中だ。津波対策などで中部電が2〜3年後の完成を目指している防潮堤の新設まで止める考え。

 中部電が浜岡原発の全基を停止した場合、管内で必要な電力に対して供給力余力は大きく低下する。今夏のピーク時に企業や家庭で必要な電力は2560万キロワット。最大2999万キロワットの電力を供給する予定だったが、2637万キロワットにとどまることになる。

 このため中部電は、(1)火力発電所の出力増強(2)関電など他電力からの融通(3)企業や家庭に節電の協力を要請――などで対応し、計画停電や強制的な節電計画の導入を避ける考えだ。

 火力発電所の出力増強には、重油や液化天然ガス(LNG)といった燃料をより多く確保しなければならない。しかし、中部電首脳は「燃料がぜんぜん足りない」と話しており、その確保が大きな課題となっている。

 燃料が確保できても、原発3基を動かす場合に比べて1日につき7億円の負担増となり、中部電の経営に大きく響く。

 中部電と同じ60ヘルツの周波数の電気を流す関電などからの電力融通も、どれだけ期待できるかは現段階では不透明だ。いまは電力不足の東京電力に中部電からも融通しているが、中部電幹部は「自分のところの需給バランスが崩れそうなのに、なんで東電に送れるのか」と、東電への供給協力に支障が出るとの見方を示している。

 中部電は、定期検査で止まっている3号機を7月までに再開し、廃炉のために止まっている1、2号機を除き、全原発を稼働させる計画だった。高さ15メートル以上の防潮堤の新設などを盛り込んだ緊急安全対策を経済産業省原子力安全・保安院に提出し、静岡県や御前崎市などへの説明も重ねてきた。

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