今夏、東電が東北に電力融通 供給力積み増しで
2011/04/22
東京電力は今夏、東北電力に対し、最大で100万キロワット程度の規模で電力融通を行う検討に入った。東日本大震災で被災した東北電力の発電所は、復旧に長期間を要する見通しで、8月には最大270万キロワットの電力不足が懸念されている。東電では火力発電の復旧や揚水発電を中心に、当初計画を上回る供給力を確保できる見込み。東北電力に一部を融通することで、東日本の電力不足の緩和と復興支援につなげたい考えだ。
東電では今夏、5500万~5600万キロワット程度の供給力を確保できる見通し。被災した火力発電所の復旧が予想を上回るペースで進んでおり、震災の被害が大きい常陸那珂火力(茨城県)や広野火力(福島県)についても、7~8月までの復旧をめざす方針。
ガスタービンやディーゼルなど緊急電源の設置や自家発からの余剰電力購入、揚水発電の積極的な活用なども図り、当初の計画に比べ300万~400万キロワット程度の積み増しが見込める状況となってきた。
需要は最大で5500万キロワット程度と見込んでいるが、東電ではさらなる供給力の上積みに努める方針。エリア内の需給を注視しつつ、隣接する東北電力に対しても、緊急時には100万キロワット程度の規模で融通を実施できる供給力を確保したい考えだ。
東北電力では女川原子力、東通原子力の停止に加え、地震と津波で壊滅的な被害を受けた仙台火力、新仙台火力、原町火力については早期復旧が難しい状況。
同社では前年並みの猛暑となった場合、最大1480万キロワットまで需要が膨らむと見ている。8月の供給力は、東北電力に出力の半分を供給する東電柏崎刈羽1号機の定検入りも予定され、1210万キロワット程度にとどまる見通し。最大で270万キロワット程度の電力が不足する懸念がある。 (本紙3面より)
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