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浜岡原発が止まったら…真夏の電力供給、余力わずか

2011年5月7日7時59分

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 中部電力の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)で全3基が停止した場合、必要な電力に対して供給余力は一気に低下する。中部地方の電力不足も懸念されるが、政府内には計画停電や企業への節電目標の設定を求める必要はないとの見方もある。

 中部電は今夏の電力需要のピークで、2560万キロワットの電気が必要と試算。浜岡原発が3基(計362万キロワット)とも動いていれば2999万キロワットの発電ができるが、浜岡がすべて止まると供給の余裕は77万キロワットだけだ。

 中部電によると、夏は企業や家庭で冷房の使用が多くなり、気温が1度上昇しただけで80万キロワットの電気が必要になる。

 原発停止分を補うには、火力発電所の出力を上げたり、関西電力など他電力からの融通を増やしたりする必要がある。中部電は「(火力発電所の)燃料確保はものすごく厳しい」(水野明久社長)。関電などからの融通にしても、「電力供給の厳しさは定期検査中の原発が立ち上がらなければ同じだ」(関電幹部)という。

 ただ、夏のピークに必要な電気も、震災前にはじいた数字。多くの工場で稼働率が落ちる今夏、試算通りの電気が必要になることはない。実際、浜岡原発は2009年夏にも全3基が停止したが、リーマン・ショック後の生産活動の停滞で乗り切った。

 中部電の供給電力に占める原発の割合は20%に満たず、政府内には「浜岡を止めても何とか電力はまかなえる」との計算も働いたようだ。

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