「技量審査場所」(8日初日、両国国技館)
大相撲の横綱白鵬(26)=宮城野=が6日、東京都足立区の境川部屋へ、自身にとっては異例となる場所2日前の“フライデー出稽古”を敢行した。技量審査場所の2日目に当たる豪栄道を11勝2敗と圧倒。豊響にも7勝1敗と、合計21番で18勝3敗と好調をアピールした。元朝青龍に並ぶ史上1位の7連覇には慎重なコメントに終始したが、封印してきた本場所直前の“金曜出撃”を解禁したことから、本気モードに突入した。
◇ ◇
白鵬も自覚していた。「異例じゃないですか?金曜日の出稽古は。入門以来、ほぼ初めてだと思います」。疲れがピークとなる場所2日前の金曜日は基本的に体を休めてきたが、宮城野部屋から離れた境川部屋に“遠征”。押し出し、寄り切り、上手投げ…。安定した取り口で順調な調整ぶりを示した。
「先週の日曜は休んだし、7日は土俵祭りで休みだからね。近くの部屋も休みと聞いたから、ここに来た」。そう説明する白鵬に対し、境川親方(元小結両国)は「うち(の力士)も疲れているので、軽くぶつかる程度で休む予定だったが、横綱が来てくれたのでね。ありがたい。豪栄道を確認に来たんじゃないの?」と、意欲を感じ取っていた。
2日目に対戦する豪栄道を11勝2敗と圧倒した。白鵬は「これをバネにして、彼に活躍してもらえれば一緒に汗を流したかいがありますよ」と余裕のエールを送った。
V7についても「心のどこかに置いて、まずは一生懸命にやるだけ。テレビ中継がない分、来られた人が来られなかった人に『力士は頑張っている』と伝えてくだされば、それだけで満足。成績はどうであれ、15番取って責任を果たす。その結果がよければ…」と慎重ながらも、表情は確信に満ちていた。
「家族も(東京に)来る。久しぶりだね」。東日本大震災以来、徳島に帰省していた妻子との再会も力に代え、偉業へと突っ走る。
ソーシャルブックマーク・RSS・twitter・Facebook